2016年5月28日(土)深夜1:55~2:50
こどもが笑う大阪 ~大阪教育改革8年~

こどもが笑う大阪 ~大阪教育改革8年~

内容

「こどもが笑う大阪」を公約として2008年に当選した橋下徹・大阪府知事。橋下さんが就任後に取り組んだ教育改革は、従来の教育界の「常識」を覆してきました。教育で重要とされてきた「継続性や安定性」よりも、スピードを意識した「改革の実施」を重視したのです。

大阪府知事から大阪市長へと立場を変えて実施した数々の改革は、8年間を経て大阪の教育をどう変えたのか。教育現場の現状から考えます。
選挙で選ばれながら、自治体の首長が教育政策に関与できる部分は限られています。橋下さんは自分の考えに近い人を教育委員として任命する方法だけでなく、条例をつくることなどで、教育に直接関与する道を開いてきました。

改革に関わってきた教育学者の陰山英男さんは、橋下さんに大阪府の教育委員に任命されました。陰山さんは「低迷する全国学力テストの成績を上げる」という使命を帯びて改革を始めました。教員出身の陰山さんは現場教員からの信頼を得て改革を進めようとします。しかし、橋下さんは制度変更など、現場への指導や指示を徹底する方向での改革実施にこだわりました。やがて二人は対立します。
橋下さんが力を注いだのが、大阪の府立高校を変えることでした。学区を撤廃し府立高校間を競争させるだけでなく、補助金で授業料を実質無償とし、公立私立すべての学校での競争を始めたのです。進学特色校を作るだけでなく、「3年連続定員割れなら再編整備」というルールで人気の低い学校は、結果がだせなければ廃校となる仕組みを導入しました。
「仕組みを変えて競争すればよくなる」という考えで実行された様々な改革、変貌していく教育現場から見えてくる「大阪の教育改革」のいまを、お伝えします。

市民の民意を得て進められた「教育改革」は、どこに光を当てて、どんな影を生み出しているのか。ふだんの報道だけでは分かりにくい、現在進行中の「大阪教育改革」の現状を番組にしました。
ディレクター:真鍋俊永(カンテレ 報道局報道センター)
プロデューサー:兼井孝之(カンテレ 報道局報道センター)