2015年9月23日(水)深夜1:55~2:50

きょうを生きるということ ~新生児医療の現場から~

内容

国内の出生数が減少するなか、高齢出産の増加や医療技術の進歩などで、妊娠37週未満の早期出産、いわゆる「未熟児」の割合が増えています。2000年に5%を超え、2013年には5.8%になりました。

低体重児は、胎内で十分成長しないまま産まれ、胎児の機能に障害が出る場合が多く、母胎で十分な期間いても母親の妊娠中毒症や、赤ちゃんに染色体異常がある場合など、成長できていないケースもあります。
NICU(新生児集中治療室)は低体重や重い病気の赤ちゃんを治療する病棟です。多くの赤ちゃんがNICUで元気に育てられるようになっています。
一方で、原因不明の病気で助けられない赤ちゃんもいます。NICUには我が子との別れを覚悟して子育てする家族もいるのです。
番組ではNICUで治療を受けた3人の赤ちゃんと家族を取材しました。
萩野さんが出産したのは『先天性食道閉鎖』の女の子。
喉と胃から伸びる食道が繋がっていません。
このままではミルクを飲むことができず、1年かけて手術と治療を続けます。
NICUで記念写真を撮っている家族に出会いました。正井さん夫婦と生後2カ月の女の子。『臍帯動脈瘤』というへその緒の病気で産まれてきました。
世界に20ほどの症例しかなく、現在の医療では助けられません。家族は病院で『看取りの育児』をすると決めました。
小林さん夫婦には2歳になる女の子がいます。彼女は『18トリソミー』という染色体異常の病気です。18トリソミーは8千人に1人の症例で心臓や脳に合併症を持っている場合が多く、妊娠中に亡くなることも多いのです。生後6カ月までに半数が亡くなり、1年間生きられる可能性は一割もありません。奇跡を信じて、夫婦は家族一緒に自宅で生活することを選びました。

3人の赤ちゃん、家族を見つめ『きょうを生きるということ』を考えます。

ディレクター:末吉明人(ファンズプロダクション)
プロデューサー:兼井孝之(関西テレビ放送報道センター)