2015年9月19日(土)深夜1:35~2:30

受賞
地方の時代映像祭 選奨
内容

最新の研究では症状が進んでも感情は死の間際まで残ることがわかってきている。しかし多くの介護施設職員の待遇は十分ではなく人手不足は深刻で、感情が置き去りにされる事も多い。
一方で、そんな介護の現場で「バリデーション」に取り組む事例が増えている。バリデーションとは認知症の治療法ではなく、認知症患者とのコミュニケーション法だ。

関西福祉科学大学の都村尚子教授は日本に9人いる認定バリデーションティーチャーの一人だ。都村さんが認知症患者に正面から話しかけると、打てば響くような反応が返ってくる。例えば、いつも怒っていて施設の職員と意思疎通が難しかった人が、自らの生い立ちを語り始める。それは奇跡のようにも見える。都村さんは、認知症患者との意思疎通を図る手法“バリデーション”を取り入れている。

共感は患者との新たな人間関係を築き、患者が尊厳を保った人生を全うすることにつながる。患者だけでなく、介護する側の家族や施設職員に安らぎが戻り、ともに生きるための大きな力ともなる。


都村さんが教えた介護施設では、職員や家族たちが少しずつ変化し、患者との関係を築き直していく姿をカメラに収めた。

ディレクター:関西テレビ報道センター 真鍋俊永
プロデューサー:関西テレビ報道センター 兼井孝之