2013年5月5日(日)深夜0:25~1:20

みんなの学校

受賞

文化庁芸術祭テレビドキュメンタリー部門 大賞
放送文化大賞準グランプリ
日本民間放送連盟賞 テレビ報道番組・優秀賞
ギャラクシー賞選
地方の時代映像祭・優秀賞
坂田記念ジャーナリズム賞 第1部門
モンテカルロテレビ祭 ドキュメンタリー部門入選奨

ナレーション

山口智充

番組内容

「すべてのこどもに、学校での居場所を作りたい」と話す木村泰子校長。大阪市立南住吉大空小学校が大事にしているのは、みんなが学校に通い続ける「不登校ゼロ」です。大空小学校は、「居場所を作る」ことを、みんなが共有しながら、開校から6年間、児童と教職員だけでなく地域の人も加わって作り上げられてきました。
この学校には、特別支援の対象となるこどもたちが、他よりも多く通っています。そんなこどもたちもみんな、この学校では同じ教室で学んでいます。大空小学校では、どんなこどもの状態も「障害」とは呼びません。発達障害などで座っていられない子、こだわりが強くて、すぐに友達とトラブルを起こす子たちのことも含めて、すべてを、ひとりひとりの個性だととらえます。周りの子たちも、そんな“ややこしい友達”が抱える「困っている事」が何なのかを思いやることのできる、強い力が育っています。
4月から4年生に転校してきたセイシロウは前の学校では特別支援のクラスに通い、1日1,2時間しか学校にいる事が出来ませんでした。「普通に学校に通ってほしい」という願いを持つ母と一緒に引っ越して、大空小学校に通いはじめました。
初めのころのセイちゃんは、みんなといっしょに教室にいることも、我慢できない状態で、学校を何度も飛び出します。「大空を引退します」が口癖のセイちゃんを、この学校でサポートしていくのは、担任の先生や特別支援担当の先生だけではなく、すべての大人とこども達・大空小学校の「みんな」です。

6年生のカズキは学校を休みがちです。それでも、大空小学校では先生たちが家まで迎えに来てくれて、ずっと学校に通い続けています。開校2年目に新入生として入学する頃のカズキは、「あの子が行くなら大空には行きたくない」といううわさを立てられるような存在でした。そんなカズキの事を校長は、「じゃあ、そんな子はどこへ行くの?」と話し、見守っています。カズキは、大空小学校という居場所で成長を続けています。

お互いの違いを理解し、お互いを尊重しあえるような、こども達を育てる。「それぞれが違っていていい」という言葉の意味を本当に心に響かせる、大空小学校の1年間を見つめ続けることで、あるべき公教育の姿や、こどもたちの為に親や地域の人は何をなすべきなのか、そして、いまの大阪や日本で行われている教育改革の方向を深く問い直す番組です。

制作著作 関西テレビ放送

「ザ・ドキュメント みんなの学校」は、日本放送文化大賞の準グランプリに選ばれ、全国のFNS系列局での再放送が決まりました。