2011年11月26日(土)午前 9:55~10:50

ゆっち、25歳

受賞

上海テレビ祭マグノリア賞入選・ファイナリスト

企画意図

親の病気や離婚、虐待などの理由で、親元で暮らすことのできない子供はおよそ4万7000人。
その9割が児童養護施設などで暮らしています。
しかし集団の中で暮らし、特定の人との愛着関係を築けないまま大人になると、生活する上で困難なことが多いと言われています。
週末里親に見守られて17年間を過ごしたある青年の姿を通して、「見守られて生きる」事の大切さを伝えるドキュメント。

番組内容

和田悠貴さん(25)。家族はおらず、週末里親の瀧口洋三さん、芙美子さんに見守られて成長しました。
現在は『土曜日の天使達』というクラウングループで活躍しています。
自分で選んだクラウンネームは「ゆっち」、明るいキャラクターの道化師です。週末は公演などで忙しい日々を過ごしています。
悠貴さんは、ダウン症です。
母親にとって「望まない出産」だったため、生後まもなく乳児院に入れられ、その後は児童養護施設などで23歳まで集団生活をしてきました。
2年前から、4人で共同生活をするグループホームに移り、地域社会の中で暮らしています。
生活はこれまでと一変しました。
頑張ろうとする気持ちはあるものの、仲間に思いをうまく伝えられずイライラし「ケンカ」の絶えない日々で、グループホームの職員をいつも困らせてきました。
ようやく「ケンカ」が落ち着きかけたこの夏、ある「事件」が起きます。
「お金を使わない環境」から「欲しい物があふれる環境」に移ってきた悠貴さんの苛立ちや課題が、その出来事をきっかけに明らかになります。

週末里親として何が出来るのか—。
見守ることしか出来ない現実のなかで、瀧口夫妻は少しでも役立ちたいと思うのです。
私たちのカメラは、その一連の出来事を追う中で、普段はうまく伝えられていない悠貴さんの心の内を知る場面に出会います。
「クラウン」の仕事を頑張り、自分の力で生きていこうとしている悠貴さん。
その「頑張り」を支えているものは何なのか…。番組では見つめたいと思います。

ナレーション

平泉成

スタッフ

ディレクター:柴谷真理子
撮影:樋口耕平
撮影助手:藤本智也
編集:野上隆司
プロデューサー:土井聡夫
協力:家庭養護促進協会