2006年5月25日(木)

内容
遺族の多くが「なぜ事故は起きたのか?事故の真相を知りたい」と話します。現在、事故調査委員会による調査と、警察の捜査が平行して行われています。事故原因はもちろん、事故の背景に何があるのか、行政のあり方には問題がなかったのかなど、解明すべきポイントはいくつもあります。日本の事故調査はこうしたポイントを解明できるのでしょうか。

その結果、航空部門しかなかった日本の事故調査委員会に、5年前ようやく“鉄道部門”ができたのです。

もうひとつの問題点は「事故調査委員会が国土交通省の傘下にあること」です。JR西日本の“ゆとりのないダイヤ”などを是正してこなかった国土交通省をはじめ、行政の不備をきちんと指摘しようとするならば、調査機関は監督官庁から独立した組織であるべきではないでしょうか。
こうした問題点の解決策を求めて、佐藤弁護士は、事故調査の先進国オランダ視察を決めます。

オランダには、日本の事故調査に決定的に欠けている「被害者の視点」がありました。事故という失敗から教訓を学ぶ社会の姿がありました。佐藤弁護士はこれら視察内容を国会で報告、あらめて“事故調査の独立”の必要性を訴えます。
事故から1年が経ちますが、遺族や負傷者らの心の傷は癒えません。安全以上に優先されるものは何も無いはずです。番組では、事故の遺族や被害者の悲痛な思いとともに、再びあのような大惨事を起こさないためにはどうすればよいか考えたいと思います。