2006年3月30日(木)

内容
ストーリー
同じような人生を歩みながら回復したアメリカ、カリフォルニアに住むパティさん(38歳)。幼児期に虐待を受けそしてドラッグ、ギャング、ホームレスを経験。薬物中毒で病院に通う。19歳の未婚で長女を出産。3歳になった長女を、口が切れるまで殴っていた。回復のきっかけは「虐待する親」をサポートする NGOとの出会いだった。多くの支援を受けトラウマを回復し今は、看護士資格も得て、3人の子どもを育て、NGOで親支援のボランティアをするまでになった。
虐待のトラウマからの回復を、自らのホームページで告白するAZUMIさん。『体験を話す事で、今苦しんでいる人に役に立てば』と取材に応じてくれた。兄から性虐待を受け、その兄を自殺で失うという過酷な「トラウマ」。アメリカでカウンセリングをする西尾和美さんの著作に出会い、自分がAC(「アダルトチルドレン」)であることに気付く。精神科医から無理解な発言によって二次被害を受けながら、「EMDR」というトラウマ治療まで辿り着けたのは西尾さんの本と夫と出会いが大きかったという。
「虐待先進国アメリカ」ー特に、10人に1人のこどもが虐待保護を受けるNYハーレム地域では多くの市民NGOが、家庭訪問プログラムを実施している。あるNGOではボランティアワーカーが産前産後5歳まで週1回母親へ訪問を続け、こどもを見守る。トラウマ回復の病院や職業訓練校の紹介。母親の自立までフォローできるのは、優れたプログラムを行うNGOとNY州が契約するシステムが構築されたことによる。補助金と情報も開示され、行政と市民がパートナーシップを持って支援活動を行っている。裁判所が親へのケア命令を出し、回復プログラムにNGOの支援を組み込むアメリカ。児童相談所の職権による「母子分離」という「措置」に終始しがちな日本…。
日本でそうしたシステムを試みている「福岡こども女性クリニック」。精神科医、ワーカーがSOSが出ている家庭を訪問、「密室の親子」をサポートしている。
京子さんはアルコール依存の克服に真剣に向きあい始めた。「生活保護」がおり、アルコール治療、精神科に通う目途をたて、ひき離された子どもと面会を求めた。環境、生活、体調の点でまだ回復が不十分な中、彼女の夢はかなうのだろうか?
ナレーションは前作『くらやみにまけないで~虐待の記憶との闘い~』の工藤夕貴さんが、今回も担当。前作の芸術祭優秀賞受賞によせて『子どもたちはどうなるの?と思いながら、ナレーションをしていましたがエンディングを迎えて、涙がとまらずブースを飛び出したことを思い出します。』とコメントしてくれた。