その原点、“ロス疑惑”か

11月23日その原点、“ロス疑惑”か

福崎さんが担当した過去の判決を辿っていくと、日本の裁判史に残る“逆転無罪”判決が浮かび上がった。
あの有名な「ロス疑惑銃撃事件」の二審判決だ。
ロス疑惑銃撃事件
ロサンゼルスで日本人女性が銃撃され、後に死亡。3年後、夫の三浦和義さんに疑惑の目を向けた報道が加熱。三浦さんは殺人罪で起訴され、一審(1994年)で無期懲役。二審(1998年)で逆転無罪となる。(2003年に確定)
秋山規雄さんと福崎さん
実はこの裁判を担当していた福崎さん。
「この事件にこそ、その原点があるのかもしれない」
私は当時の裁判長のもとを尋ねることにした。

福崎さんの“師”とも言うべき秋山規雄さん。福崎さんが東京高裁にいた時の裁判長だった。
秋山規雄さん
秋山さん
「僕と福崎さんとは ロス疑惑のほか、一般事件も全部一緒にやっていてそういう関係でまあ、非常に仕事ぶりを詳しく見るようになったと」
「今思い出すと、福崎さんについて言えば その真面目ぐらい 真面目って。仕事は手抜きしないで一生懸命される。それが一番印象強くて」

実は、この「ロス疑惑銃撃事件」の“逆転無罪”判決文には、刑事裁判官のあり方を示す一節があった…。