一番悪いのは“裁判官”

11月17日一番悪いのは“裁判官”

「疑わしきは被告人の利益に、疑わしきは罰せず…って言い方しますけど、裁判って“有罪推定”で始まるんだと。自分が今まで思ってたことを、現実が裏切っていくわけですよ」
映画『それでもボクはやってない』
痴漢冤罪事件を題材にしたこの作品には、刑事裁判の絶望的な現状が炙り出されていた。

監督の周防正行さんは、現実の裁判に“恐ろしさ”を感じたという。

周防正行さん
「僕はあの映画終わった後にいろんな取材受けて、『日本の裁判って、いったい誰が一番悪いって思いますか』って聞かれると、“裁判官”って答えているし、今もそうなんですね。」
周防正行さん
「何が一番恐ろしいって、裁判官の補充尋問、質問。びっくりするくらい厳しくて。映画でもちょっと使いましたけど、混んでる満員電車で前に女性が立っているのに、『なんであなたは正面から乗ったんだ』と、『背中から乗ればいいじゃないか』っていう尋問するんですよ。もうびっくりして。うわぁ、本人にとっては遅刻するかもしれないと焦って飛び込んでいるのに、裁判官が『怪しまれるから背中から乗り込め』って言うんかいな!って」

「有罪だとはっきり言えなければ無罪にしましょうって決まりのはずなのに、現実の裁判は、こいつ無罪だって確信が裁判官に芽生えないと、無罪書いてもらえないんだという印象があります」
上田ディレクター
実は周防監督も、“逆転裁判官”の福崎とは面識があったという。
実際の福崎は一体どんな人物なのだろうか。