“給食がない”夏休み ひとり親家庭2000世帯に届け!「お供え物のおすそわけ」 食費や光熱費などの負担が増える日々

“給食がない”夏休み ひとり親家庭2000世帯に届け!「お供え物のおすそわけ」 食費や光熱費などの負担が増える日々

奈良県・田原本町にある「安養寺」。お菓子や食品などの「お供えもの」を “おさがり”として、ひとり親家庭などに「おすそわけ」する、「おてらおやつクラブ」という仕組みを始めたお寺です。

企業からの日用品などの寄付も合わせて、全国各地の協力するお寺とともに、毎月2万6000人以上の子供たちを支えています。

30度を超える厳しい暑さが連日続く7月下旬。関西テレビのぷらす8゛チームが安養寺を訪れると、ボランティアがお供え物を箱詰めする作業を行っていました。

準備をしていたのは、夏休みの間にひとり親家庭に送る“おすそわけ”。

「これはお子さん好きそうなお菓子だね」、「この日用品はお母さんにとってもうれしいと思うな」、おすそわけを受け取る“顔の見えない相手”に思いをはせながら、段ボール箱いっぱいにおすそわけが詰められていきました。箱には、ボランティアが1枚1枚手作りで書き上げた、メッセージも添えられます。

おてらおやつクラブの活動は徐々に認知度が高まり、支援を求める家庭の数が増えています。一方で、配送費の工面の難しさからすべての家庭に送ることができない現状があります。

1世帯に届けるためにかかる配送費は約1000円。2022年には、1万2000件を超える支援の申し込みがありましたが、約40%の家庭にはおすそわけを届けることができなかったといいます。

おてらおやつクラブによると、今回配送する「夏休み」という期間は、特にひとり親世帯からのSOSの声が増える時期だと指摘します。

【おてらおやつクラブ事務局 後藤有香さん】
「給食がなく、食費や光熱費などの負担も多くなり、最近では物価高の影響もあるため環境的に大変になっています。ひとり親家庭を対象とする児童扶養手当も8月は支給されない月であるため、困りごとを抱える家庭が増えてしまいます。そのため、夏休みだけでも多くの世帯に絶対届けたいという思いが強くありました」


夏休み期間だけで2600世帯ほどの申し込みがありましたが、今回クラウドファンディングで集まった寄付を使って、全国2000世帯に送ることができるということです。活動に対する多くの賛同もあり、集まった寄付金は目標を大きく上回る396万円。夏休みと同じようにSOSの声が増える、冬休みにも支援が行えるようになりました。

【おてらおやつクラブ事務局 後藤有香さん】
「テレビで放送があってから、孤独・孤立で苦しんでいる親御さんがテレビなどで活動を見て、『助けてください』という声が増えました。頼ることができない親御さんがおてらおやつクラブとつながれたことがとてもうれしいです。ただ、寄付がなかったら、このプロジェクトは開催できなかったので。顔は見えないけれども笑顔になってくれていることは想像できるので、本当に感謝の思いでいっぱいです」
おてらおやつクラブには受け取った子供たちや親から、お礼のメッセージが届いています。

「いつも買ってあげたいけど我慢させて、外食とかもできずに、毎日その日を暮らすことに精一杯でした。お手紙『応援しています』。その一言だけで、とっても心が緩まった気がしました」

「頑張って治療して安定した生活を目指そう!大丈夫!1人じゃない!そう思えました」
“給食がない”夏休み ひとり親家庭2000世帯に届け!「お供え物のおすそわけ」 食費や光熱費などの負担が増える日々
おすそわけは、8月に各地のお寺から届けられています。おてらおやつクラブには、孤立を感じている家庭や子どものSOSの声がたくさん届きました。各世帯が踏み出した大切な一歩を無駄にしないようにおてらおやつクラブは活動を続けようとしています。ぷらす8゛を通して集まった皆さんの寄付や応援メッセージが、団体の活動を後押していました。