「負けてすごくくやしい」囲碁・史上最年少9歳プロ はじめての『公式戦』は145手で“敗戦” 座布団2枚が敷かれた椅子に座り”積極的”に戦うも…16歳年上の先輩は「強かった」 2022年10月25日
ことし9月、史上最年少の9歳4カ月でプロ棋士になった藤田怜央初段(9)が25日、プロとして初めての「公式戦」に臨み敗れました。
■プロとして初の公式戦に挑んだ”9歳”史上最年少「囲碁」棋士
午前10時前、はにかみながら対局会場である「関西棋院」(大阪市・中央区)に登場した藤田怜央初段(9)。25日、プロ初の公式戦となる「第48期新人王戦」予選に臨みました。
【会場のスタッフ】
「(ここに)座ってみて」
初めての公式戦に臨んだ藤田怜央初段は小学3年生。身長が低いため、関係者が対局席の座布団を積み上げます。
【会場のスタッフ】
「座布団どれがいい?1(枚)2(枚)3(枚)」
【藤田怜央初段】
「2」(笑)
ことし9月、9歳4カ月で囲碁・史上最年少プロ棋士となり、一躍注目の的となった藤田怜央初段。デビュー戦とあって、今日はソワソワと落ち着かない様子です。
【会場のスタッフ】
「対局者入ります」
相手の渡辺貢規四段(25)は2013年にプロになり、翌年には「関西棋院新人賞」を獲得した期待の若手棋士です。
” 25歳”が「新人王戦」最後のチャンスとあって相手が誰であろうと負けられません。
■勝負メシはお母さんのお弁当「とんかつ」と「おにぎり」
序盤は積極的に戦った小学3年の藤田初段、お昼ご飯はお母さんの作ったとんかつとおにぎりのお弁当を食べました。
しかし時間を追うごとに、徐々に厳しい展開になります。
この対局を心配そうに見つめていたのが、藤田怜央初段の師匠・星川拓海五段です。
【藤田怜央初段の師匠・星川拓海五段】
「ちょっと予想外の一手があって、これが、かなり力が入りすぎた一手に見えますね。そこを渡辺四段に突かれて、ちょっと今つらい手を何手か打たされている状況」
対局で藤田怜央初段が椅子にのけぞっている姿を見て、こう分析しました。
【藤田怜央初段の師匠・星川拓海五段】
「こうなっているのは、もうちょっとこれはダメだなっていう感じ…。普段の練習対局でもこういう風になったらだいたい諦めモードに入っている」
さらに星川さんは藤田怜央初段のある目線に気付きます。
【藤田怜央初段の師匠・星川拓海五段】
「相手の扇子を見てましたね。結構、扇子が好きでコレクターなんですよ。しかもちょっと珍しいタイプの扇子なので、それが気になってる目線でしたね」
結局、対局開始から4時間で藤田怜央初段が投了、ほろ苦いデビュー戦となりました。
ーーQ:普段通りできた?
【藤田怜央初段】
「・・・・・・」
ーーQ:緊張した?
【藤田怜央初段】
「うん」
■対戦した渡辺四段「9歳とは思えなかった」
無言のままの藤田怜央初段に対し、渡辺四段は…
【渡辺貢規四段】
「最初の方で、たまたまうまくいった…」
次の対局で藤田怜央初段は、現在の囲碁・最年少勝利記録10歳4カ月の更新に挑みます。
(関西テレビ「報道ランナー」10月25日放送)