岸田首相は、26日の閣議で、閣僚に経済対策の取りまとめを指示しました。その柱の一つが働き控えにつながっている年収の壁の改革です。一体、何が変わり、働く人にどんなメリットがあるのか?
■「年収の壁」解消で働き控えなくなる? 岸田政権の新経済対策
給与明細を見ながら計算をしているのは、大阪府内に住む大西さん。
【大西眞由美さん】
「夫に扶養の範囲で働いてくれと言われるので、必ず守るように。
(Q. 超えないように?)
とても意識しています」
パートなどで働く人の年収が一定額を超えると配偶者の扶養から外れるため、働く日数を減らす人がいます。これがいわゆる「年収の壁」です。
25日、岸田首相が対策に乗り出すと述べました。
【岸田文雄首相】
「年収の壁支援強化パッケージについても週内に決定し、時給1000円越えの最低賃金が動き出す。10月から実施してまいります」
■年収「106万円」と「130万円」2つの壁 本音はもっと働きたい
例えば夫が正社員、妻がパートで働く夫婦には主に2つの壁があります。
1つは、106万円の壁。妻の勤務先の従業員が101人以上で年収が106万円を超えると妻は、夫の扶養から外れ、厚生年金や健康保険に加入して、保険料を支払う必要があります。
将来受け取る年金額は増えるものの、保険料が給与から差し引かれて手取りが減ることになります。
これについて岸田首相は…
【岸田文雄首相】
「106万円の壁を超えることにともない、手取り収入が減少しないよう支給する社会保険適用促進手当これを創設いたします」
もう一つは130万円の壁です。
【大西眞由美さん】
「今気にしているのは、130万円の壁です」
大西さんは従業員が100人以下の保育所で働いて、年収が130万円を超えると夫の扶養家族ではなくなり、国民年金と健康保険の保険料を支払う必要が出てきます。
手取りが減ってしまうため大西さんは扶養の範囲内にとどまろうと勤務を週3日にとどめ、さらに同僚の保育士よりも早く帰ることで130万円を超えないように調整しています。
-Q:もし130万円の壁がなくなったら?
【大西眞由美子さん】
「今まであまり働いたことがないけれど、フルタイムで働いてみたいです。職場の人にも迷惑をかけないし、自分の収入が増えるのがしいです」
本音はもっと働きたいと思っている大西さん。
岸田政権はパートなどで働く人が、一時的に年収が130万円を超えても、連続して2年間は配偶者の扶養に入ることができるようにする方針です。
(関西テレビ「newsランナー」2023年9月26日放送)