『ザ・ドキュメント 引き裂かれる家族~検証・揺さぶられっ子症候群』がベネチアテレビ賞ドキュメンタリー部門で入賞

2024年10月1日(火)

AWARD NOMINEE DOCUMENTARY VENICE TV AWARD 2024
国際的な審査員が、優れたテレビ番組を表彰する「ベネチアテレビ賞」のドキュメンタリー部門で、関西テレビの『ザ・ドキュメント 引き裂かれる家族~検証・揺さぶられっ子症候群』が入賞作品に選ばれました(同部門では、最優秀賞1作品のほか、入賞は、この作品を含む9作品)。賞全体では、今年は19部門に、65か国から514作品が参加しました。

関西テレビの番組では、2021年『安藤忠雄 次世代へ告ぐ』が、最優秀映像技術・イノベーション部門で入賞、2022年『希容の形』がスポーツ部門で最優秀賞、最優秀映像技術・イノベーション部門で入賞したのに続き3回目です。
選考の理由
「引き裂かれた家族」は深い感動とインパクトを与えるドキュメンタリーである。審査員は、作品が示す真実性や感情の深さを称賛し、「非常にリアルで感動的である」とコメントした。このドキュメンタリーは、冤罪が引き起こす精神的にも法的にも重大な影響を明らかにするもので、同部門で最も優れた作品のひとつと評価された。
上田大輔ディレクター(報道情報局報道センター)のコメント
本作は、揺さぶられっ子症候群(Shaken Baby Syndrome)の医学的根拠を巡る論争にとどまらず、日本の児童福祉制度や刑事司法の構造的問題についても光をあてた作品です。本作を通じて、基本的な子どもの権利が守られていない現状や、人質司法に象徴される、裁判所が抱える問題が広く世界で知られることを願っています。

ザ・ドキュメント 引き裂かれる家族~検証・揺さぶられっ子症候群

ザ・ドキュメント 引き裂かれる家族 検証・揺さぶられっ子症候群
写真家の赤阪友昭さん。2017年11月、家族4人の平穏な暮らしが一変する。赤阪さんが自宅で生後2ヶ月の長男・優雨くんをあやしていた時、優雨くんの呼吸が止まっているような状態に。病院の検査で硬膜下血腫や眼底出血が見つかり、下された診断は「揺さぶられっ子症候群」だった。赤阪さんは身に覚えのない虐待を疑われ、優雨くんは児童相談所に一時保護される。そして、2018年10月、赤阪さんは逮捕・起訴された。児童相談所は赤阪さんと優雨くんの同居を制限し続け、赤阪さんは家族と引き裂かれたままの生活を余儀なくされる。2020年4月、長女の卒園式の日を迎えその場に限って赤阪さん家族が集まることが許される。それは、一年半ぶりの家族再会だった。
放送
2023年7月7日(金)25:25~26:40
ナレーション
豊田康雄(カンテレアナウンサー)
スタッフ
<ディレクター>上田大輔 <撮影>平田周次 <編集>室山健司
<英語版監修>端崎優子 <プロデューサー>萩原守 宮田輝美
制作著作
カンテレ
ベネチアテレビ賞とは
ベネチア市の協力により2018年に設立され、その年の世界各国の優れたテレビ番組を表彰する。Together. We are proud to be TV(=私たちはテレビであることを誇りに思う)とうたい、何百万人もの人々の生活の中心を占めるメディアにおける優れた作品を表彰し、質の高い作品を制作する制作者と放送局の国内的、国際的な認知度を高めている。
参考情報
●『引き裂かれる家族~検証・揺さぶられっ子症候群』はYouTube(カンテレNEWS)で配信中です。
https://www.youtube.com/watch?v=WU20UIVMmIA
●『引き裂かれる家族~検証・揺さぶられっ子症候群』の受賞歴
*第61回 ギャラクシー賞 テレビ部門 選奨(2024年)
*貧困ジャーナリズム賞(2024年)
*第15回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル コンペティション部門・大賞(2024年)
*第4回 調査報道大賞 映像部門で奨励賞(対象は、当番組含む一連の報道)
*2024年日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビ報道 優秀賞