第44回(2016年度) 映像情報メディア学会 技術振興賞をダブル受賞!

2017年5月2日(火)

一般社団法人 映像情報メディア学会が主催する第44回 技術振興賞進歩開発賞(現場運用部門)において、関西テレビが2件の開発で受賞しました。
4月28日(金)に開かれた理事会において2016年度の選奨が決定し、関西テレビが「マルチファイルプレーヤー(KAMELEON)の開発」(関西テレビ、オンテック共同開発)と「プロキシ・ハイレゾの自動置き換えを実現するアーカイブ統合型ニュース制作システムの開発」で※進歩開発賞(現場運用部門)をダブル受賞しました。なお、関西テレビの同賞の受賞は2014年度の「24時間地震収録システムの開発」、2015年度の「クロマキーカット割りシステムの開発」に続き3年連続となります。
※【進歩開発賞(現場運用部門)】
映像情報メディアに関する方式、システム、機器、デバイスの有益な改良、あるいは運用・技術管理面でのすぐれた考案を行い、実用に供し、顕著な効果を示したものが表彰の対象となる。

「マルチファイルプレーヤー(KAMELEON)の開発」(関西テレビ、オンテック共同開発)

民生用カメラやスマートフォンで撮影した映像を簡単な操作でHDSDI信号として再生できるメディアプレーヤーを開発した。これまでは視聴者が撮影した映像ファイルはノートPCや家庭用のプレーヤーで再生し、これらから出力されるHDMI信号をHDSDIに変換する機器を通してFPUやSNGで伝送していた。このため、伝送するまでに複数の機器を操作する手間がかかる上にメモリ不足や熱暴走により再生映像が不安定になることがあった。今回、メディアを本体内蔵のカードリーダーに挿入するだけで、安定したHDSDI信号が得られる業務用メディアプレーヤーを開発し、実用化した。現在、放送局を中心に130台以上が出荷され、報道現場で速報性向上に著しい効果を上げている。
KAMELEON本体写真

「プロキシ・ハイレゾの自動置き換えを実現するアーカイブ統合型ニュース制作システムの開発」

長期保存されているアーカイブ映像を編集するために必要だった手順を大幅に簡略化したニュース制作システムを考案・開発した。従来、アーカイブ映像はテープ現物の貸し出しやファイル転送を行わなければ編集作業を開始することができなかったが、独自に開発した「プロキシ編集プラットフォーム」によりアーカイブ映像をプロキシ(低解像度映像)で編集しながら、バックグラウンド処理によりハイレゾ(高解像度映像)を自動で復元し、置き換える機能を実現した。これにより、実務者の運用負担を軽減し、速報性の向上に大きく貢献した。