平成27年 新春社長記者会見

2015年2月4日(水)

平成27年1月29日(木)「平成27年新春社長記者会見」を行いました。
概要は以下の通りです。

年頭に当たって

メディア環境は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向かい、4K・8K・ハイブリッドキャスト等、次世代放送への技術開発が急がれるなど凄いスピードで動いており、放送行政も含め大きく変わろうとしています。
そんな中、テレビを取り巻くメディア論に振り回されすぎることなく、改めて良いコンテンツをしっかり作っていくことが原点だという認識を全社に徹底させ、視聴率奪回に向けて反転攻勢をかける年にすると決意しています。

編成状況

幸いこの1月からの当社の連続ドラマ「銭の戦争」が大変良いスタートを切れたと思っています。反転攻勢の1番の舞台である4月改編の準備を進めている中、ある種の勢いがついたと思っています。そこで4月改編では、夕方帯に約3時間の大枠で情報番組とニュースを編成し、大きな勝負を賭けていきます。
単発においては、今年13回目となる「R-1ぐらんぷり2015」は、当社が長年手掛けている1つの優良コンテンツだと思っており、2月10日(日)の全国放送に向けて現在準備を進めています。その他、今年50周年を迎える「上方漫才大賞」ですが、関西で一番古い演芸の賞でもあり、今までと手法や見せ方を少し変え、ますます活性化させていこうと思っています。

平成27年3月期第3四半期(平成26年4月~12月)業績

連結売上高は482億8千万円(前年比で+1.3%増)、営業利益26億7500万円(前年比+17.0%増)、経常利益32億9500万円(前年比+11.8%増)、四半期純利益21億円(前年比+17.4%増)で、増収増益となりました。
放送事業収入は440億7400万円(前年比+1.4%増)、内放送収入は394億3400万円(前年比同)。ローカルタイムが前年実績を超える一方、ネットタイムは55周年記念ドラマがあった前年を下回り、タイム収入全体では前年比-1.0%減、スポット収入は前年比+0.5%増となりました。
その他放送事業収入では、事業イベント、ビデオ販売、動画配信、グッズ販売などが売り上げを伸ばし、前年比プラス15.3%。
個別売上でも営業利益23億6300万円(前年比+18.1%増)、経常利益30億6300万円(前年比+9.1%増)で、増収増益となりました。

2015年3月期第3四半期業績は、以下の通りです。
1. 連結 経営成績
(単位:百万円未満切捨)
  前期 当期 前期比増減
売上高 47,673 48,280 606 1.3%
(営業費用) (45,386) (45,604) (217) (0.5%)
営業利益 2,287 2,675 388 17.0%
経常利益 2,947 3,295 348 11.8%
税金等調整前四半期純利益 2,905 3,249 344 11.9%
少数株主損益調整前四半期純利益 1,790 2,101 311 17.4%
四半期純利益 1,790 2,100 310 17.4%
2. 単体 経営成績
(単位:百万円未満切捨)
  前期 当期 前期比増減
売上高 44,223 44,873 649 1.5%
(営業費用) (42,223) (42,510) (287) (0.7%)
営業利益 2,000 2,363 362 18.1%
経常利益 2,808 3,063 255 9.1%
特別利益 - - - -
特別損失 40 44 4 10.3%
税引前四半期純利益 2,768 3,019 251 9.1%
四半期純利益 1,759 1,981 221 12.6%

3. 単体 売上高内訳

(単位:百万円未満切捨)
  前期 当期
前期比増減
売上高 44,223 44,873 649 1.5%
  放送事業収入 43,450 44,074 624 1.4%
    放送収入 39,425 39,434 8 0.0%
      タイム収入 12,795 12,671 △123 △1.0%
      スポット放送料 26,630 26,763 132 0.5%
    その他放送事業収入 4,024 4,639 615 15.3%
  その他の事業収入 773 798 25 3.2%

事業イベント・映画について

事業イベントでは、在阪民放5局が集まり、文楽の新しい展開に力を合わせた「UMEDA BUNRAKU(うめだ文楽)」に挑戦します。また、野村万作・萬斎親子はじめ素晴らしい狂言師方々による舞台「祝祭大狂言2015」や、歌舞伎の大きな公演を2つ準備しており、当社では今後も文楽や狂言、歌舞伎など古典芸能に力を入れていきます。
また新たな試みとして、6月には当社の社員が、作・演出にこだわった舞台「本日、家を買います。(仮)」に挑戦します。最初は小劇場での試みですが、大きな志を持って取り組む舞台です。その他、「ティム・バートンの世界展」や金毘羅さんの宝物を展示するなど、数々のイベントを予定しています。

映画では、「繕い裁つ人」を公開します。映画でなくてはこういう表現はできないと想わせるところが随所にあり、大変素晴らしい作品です。また、今秋公開予定の「レインツリーの国」は、有川浩さん原作、当社の三宅喜重が監督を務めた「阪急電車」・「県庁おもてなし課」に続き3作目の作品となります。
その他、当社の連続ドラマからスタートしました「アンフェア」の3作目となる映画「アンフェア the end」を新たに制作致します。これが最後の作品ということになりますが、大変期待しています。
その他、数々賞をいただいた当社のドキュメンタリー「みんなの学校」の映画版が完成し、東京2月21日(渋谷ユーロスペース)、大阪3月7日(第七藝術劇場)を皮切りに、全国順次公開を予定しています。

放送関連事業について

放送関連収入でも様々な展開を試みています。DVDが少し頭打ちになってきている傾向は確かにありますが、昨年秋発売の「誰も知らない髙橋大輔」が2万枚を超える大ヒットとなり、良いコンテンツはまだまだ成功する良い例になったと思っています。動画配信も伸びてきており、見放題サービスへのコンテンツ供給での配信が成果を上げてきています。また海外でも動画配信できるようにしたところ、当社のドラマが92の国と地域で放送され、上期予算を大幅に上回り配信事業の可能性を実感しています。
その他、最近ではタイの放送局「チャンネル5」でのレギュラー番組内で、日本の観光資源を撮ったコーナー企画が採用され、現地では2月に放送される予定です。今後もローカル番組を海外で展開していくなど、様々な事に挑戦していきたいと思っています。
その他、当社の番組「よ~いドン!」関連イベントで、毎年好評いただいてます「グルメ大博覧会」を、今年も3月2日よりあべのハルカス近鉄本店にて開催します。

次世代放送に向けた取り組み

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、総務省のロードマップに沿い、4K・8Kなど次世代放送をどう普及をさせていくか、現在様々な情報収集や研究を行っています。
地上波では4K放送は困難な状況ですが、先日の大阪国際女子マラソンで、通常の回線を使ったローコスト4K映像伝送実験を行い、またその映像をエリア放送で流す実験を行い成功しました。
コンテンツにおいては、昨年制作した4K映像番組「テレビ見仏記」が、Channel4KやひかりTVなどで放送されています。このような試みは今後ますます続けていかなければいけないと思っています。
また「マルチスクリーン」も、これからどういうコンテンツを作っていけるか等、在阪局を中心に「シンクキャスト」として実証実験を行っています。

CSR活動報告

当社では、テレビ局ならではのメディアリテラシー活動を中心に、地域の皆様と連携した様々な社会貢献活動を行っています。小・中学校や高校に出向いての出前事業、高校生や大学生に向けた映像制作支援、系列局あげてのチャリティーキャンペーン、また当社独自の「児童虐待防止キャンペーン」などの活動にも力を入れています。当社の活動は、CSRレポートや企業情報を当社HPにて公開しています。

最後に

昨年は、視聴率が年間3位という結果でしたが、その中で、平日午前帯の「よ~いドン!」や、土曜日・日曜日の午後帯の健闘など、見るべきところは沢山ありました。苦しさから学んだことを、2015年に活かしていきたいと思っています。また当社の技術陣は、昨年も数々の賞をいただき、良い結果を残してきました。次世代放送に移っていく過程においても、育ってきている社員たちの実績が大きな自信に繋がっています。
2015年も厳しい年になるのは間違いないですが、とにかく元気を出していきたいと思います。今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。