開催内容
モネ、ルノワールなど巨匠たちの名画約80点を展示
1983年に東京都八王子市に開設した東京富士美術館は、国内外で制作された幅広い時代の絵画・版画・彫刻・写真・陶磁器等を約3万点収蔵しています。とくに西洋絵画コレクションは、16世紀のイタリア・ルネサンスから20世紀の近現代美術までを網羅し、国内屈指の充実度を誇ります。本展では同館の所蔵品から選りすぐられた80点あまりの西洋絵画を展覧します。
西洋では伝統的に神話画や宗教画が高尚な絵画ジャンルとして重視されましたが、近代になると斬新な絵画主題の開拓や、造形表現そのものの革新へと画家たちの関心が移っていきました。モネ、ルノワール、ゴッホ、シャガールといった人気画家のほか、ティントレット、ヴァン・ダイク、クロード・ロランらオールドマスターの名画を通して、西洋絵画400年の歴史をご堪能ください。
作品紹介
第Ⅰ部 絵画の「ジャンル」と「ランク付け」
西洋絵画では、ルネサンスから19世紀前半まで、絵画の価値は「ジャンル」によって格
付けされていました。最も格が高いのは神話や聖書の物語を描いた「歴史画」、次に肖像
画、風俗画、風景画、静物画の順で格付けされ、この序列の背景には、キリスト教的価値
観やルネサンスの人間中心主義が関係していました。
《ヴィーナスの誕生》
1732年頃 油彩・カンヴァス
《ベッドフォード伯爵夫人 アン・カーの肖像》
1639年 油彩・カンヴァス
なかでも特殊なのは17世紀のオランダで、共和制かつ偶像崇拝を禁止するプロテスタントを国教としていたため、美術作品の需要は裕福な市民階級の中に高まり、特に風俗画や静物画が絶大な人気を博しました。
《ヴェネツィア、サン・マルコ広場》
1732-33年頃 油彩・カンヴァス
《花》17世紀 油彩・カンヴァス
第Ⅱ部 激動の近現代—「決まり事」の無い世界
第Ⅱ部では、産業革命と市民革命によって誕生した近代社会における絵画を紹介します。
18~19世紀のフランス美術界では、古典主義を重んじるアカデミズムが支配的であり、サロンへの入選が画家の成功に不可欠でした。しかし、革命や産業化を経て既存の価値観が揺らぎ、感情や個性を重視する新たな美の価値観が生まれ、美術は伝統よりも独創性を求めるものへと変化していきます。
《赤い服の女》
1892年頃 油彩・カンヴァス
《オーヴェールの曲がり道》
1873年頃 油彩・カンヴァス
印象派など独自の展覧会を開く動きが広がり、さらに、中産階級の台頭により風俗画や風景画の需要が増え、歴史画の優位性も失われ、ジャンルの序列が解消されていきました。
1908年 油彩・カンヴァス
1966年 油彩・カンヴァス
音声ガイド
厳選した23点の作品をわかりやすく解説します。
貸出料金:1台 700円(税込)
関連イベント
◎講演会
会場:京都市京セラ美術館講演室(本館地下1階)
※定員各80名、聴講無料(ただし、本展覧会の観覧券が必要)
●「日本画家から見た『西洋絵画の400年』」
講師:清水 由朗 氏 (東京富士美術館館長)
日時:3月22日(日)14:00~15:30
●「西洋絵画400年の魅力~伝統から近代へ」
講師:三浦 篤 氏 (大原美術館館長、國學院大學教授、東京大学名誉教授)
日時:4月18日(土)14:00~15:30
◎学芸員によるギャラリートーク
日時:4月11日(土)、5月9日(土)14:00~(約30分)
※そのほか申込方法等の詳細については美術館公式サイトをご覧ください。
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20260320-20260524
開催スケジュール
日程
2026年3月20日(金・祝)~5月24日(日)
開場時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日(ただし5月4日(月・祝)は開館)
会場
京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階
料金
| 一般 | 高大生 | 小中生 | |
|---|---|---|---|
| 当日券 | 2,000円 | 1,500円 | 500円 |
| 前売・団体 | 1,800円 | 1,300円 | 300円 |
※未就学児入場無料(要保護者同伴)
※団体料金は20名以上
※前売券は2025年12月10日(水)10:00~2026年3月19日(木)23:59まで販売
※障がい者手帳等を提示の方は本人及び介護者1名まで無料(要証明)
※混雑時は入場をお待ちいただく場合があります。詳細は美術館公式サイトをご確認ください
※学生料金でご入場の方は学生証をご提示ください
チケット発売日
12月10日(水)10:00~
- 主催
- 京都市 / 京都新聞 / 産経新聞社 / 関西テレビ放送