2025年5月30日(金)深夜1:15~2:15
出口なき部屋
~介護離職 救いはどこに~

出口なき部屋

内容

高齢化が急速に進む中、誰しもが直面する可能性のある介護。
安倍内閣は2015年、家族などの介護を理由に仕事を辞める「介護離職ゼロ」を掲げた。
しかし2022年の総務省の調査では、直近1年間で介護などのために離職した人は10.6万人。
5年前から7000人増えており、解決には至っていない。
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大阪市に住む藤井康弘さん(61)と妻の三恵子さん(62)。
康弘さんは、若年性認知症の三恵子さんの介護のために2021年、大手電機メーカーの子会社を退職。
三恵子さんは24時間見守りが必要な一方、身体機能に異常はないため要介護度は低く、仕事との両立を可能にする介護保険サービスは存在しなかった。
「介護を理由に手ぬるい仕事をするのは社会が許容しない」
あきらめにも似た康弘さんの言葉は、今の社会の現状なのかもしれない。
出口なき部屋
離れて暮らす1人娘に迷惑をかけたくないと、退職金を取り崩しながら在宅介護を続ける康弘さん。
三恵子さんは「言葉」を発するが、それを会話と呼べるかは難しい。
康弘さんは、「愛情じゃなくて情ですよ」と淡々と話す。しかし、その口調とは裏腹に、三恵子さんへのまなざしは優しい。
出口なき部屋
しかし取材を始めておよそ2年がたった去年の夏。
康弘さんは「第二章が始まる」と告げた。
軟部肉腫と呼ばれるがんが見つかったのだ…
出口なき部屋
康弘さんは言う。
「救いないよ。この国」
約3年の夫婦の歩みを通して、家族の犠牲によって成り立つ日本の介護、その象徴ともいえる「介護離職」の実像を探る。

スタッフ

ディレクター
:竹下洋平
撮影
:井口桂吾
編集
:室山健司
プロデューサー
:宮田輝美

ナレーション

本上まなみ
本上まなみ

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