「勝利ボーナス半減」「スパイク自腹」 元日本代表・安田理大氏が目撃した“地獄のJ2降格”のリアル

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2025.11.20(木)

「勝利ボーナス半減」「スパイク自腹」 元日本代表・安田理大氏が目撃した“地獄のJ2降格”のリアル
J1リーグは優勝争いが佳境を迎えているが、その裏でもう一つの争いがある。それは“J2降格” 現役時代2度の降格を経験した、元日本代表・安田理大氏(37)がリアルな降格の実情を語った。
すでに横浜FCなど3クラブがJ2降格…元代表が語る“もう一つの争い”の重み
J1・20クラブのうち、下位3クラブが自動的にJ2に降格するJリーグ。今季はすでに、横浜FC、湘南ベルマーレ、アルビレックス新潟の来季からのJ2降格という憂き目にあった。入れ替えがあることで、リーグが活性化するのは自明の理だが、当事者の立場に立つと「クラブの運命も選手生命にもかかわる大きな出来事である」という。
「J1選手の名前が入ったスパイクでプレー」 安田氏が告白 下部リーグの日常
まず挙げられるのが待遇面の違い。年俸もさることながら、勝利ボーナスも半分になるクラブもある。さらにスパイクなどスポンサーから支給される選手も多いが、下部に落ちるとそれがストップし、自分で購入する選手もいたという。中にはJ1の選手から余ったスパイクをもらう選手もいるそうで「J3の試合とか見ていると,J1の選手の名前が入ったスパイクでプレーしている選手がいる」と体験談を語った安田氏。さらに「自分の主観」として、どんなクラブが降格間近なのか独自目線で解説した。
①失点したらやたら選手が集まりだす
「失点したら円陣みたいに集まりだすのはやめた方がいい」選手が全員集まって話すと、試合まで一週間準備して積み上げてきたものが無くチーム状況が良くないと思われると指摘。「強いクラブはシーズンを通してやるべきことが一貫して整理されている」と話した。
②変わった練習をやり出す
自身の経験として、サッカーの練習前に合気道の練習をさせられたことがあるという。選手間でもサッカーに関係がない練習という声が漏れ始めたそうで「今でも何の意味があったか本当に分からない」と笑わせた。
③決起集会をしても盛り上がらない
降格が近づくと、もう一度チーム一丸となり戦おうという機運が高まり、バーベキューなど決起集会を開催することがあった。その場は楽しいが「不安(をかかえた選手たち)が集まれば負のエネルギーが増大する」そうで、次の日の練習はギクシャクすると、2度の降格経験をもとに苦悩を語った。

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