快進撃続ける京都 新主将語る強さの秘密は“個人技”ではなく“積み上げ”

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2025.09.12(金)

快進撃続ける京都 新主将語る強さの秘密は“個人技”ではなく“積み上げ”
J1リーグで首位を走る京都サンガF.C.。去年は残留争いも経験したチームが5月から9戦負けなしと絶好調。チームの強さの秘密について、キャプテンの福岡慎平(25)が語った。
強さの秘密は得点力
福岡に今の強さの秘密を聞くと、開口一番「得点力じゃないですか」と返ってきた。京都の得点数はリーグトップ。(52得点・9月10日現在)

外から見ると、京都はエースであるラファエル・エリアスがリーグトップに並ぶ15得点と、個人の能力で得点数を伸ばしているように見えるが、福岡の感じ方はそうではないようだ。

得点力向上の背景にあるのが、今や京都サンガのスタイルとして定着している“前線から積極的にボールを奪いに行く戦術”。相手ゴールから出来るだけ近い位置でボールを奪うことで、必然的にゴールまでの距離が短くなり、得点の確率が上がるというのだ。
積み上げが示す得点数の増加
湘南ベルマーレを2018年ルヴァン杯優勝に導いた曺貴裁監督が就任して5年。福岡は「得点力にフォーカスしている中で、5年間の積み上げが出てきている。」「数年前とベースはずっと一緒でも、インテンシティ(プレー強度)やクオリティが1段階、2段階と年々上がっていることが今の結果に繋がっている」と、あくまでもチームとしての成長が今の快進撃に繋がっていることを明かす。

福岡が積み上げを強調するように、曺監督も8月24日のFC東京戦でゴールキーパーからのビルドアップにプレスをかけて奪った得点を振り返った際に、「僕は相手のゴールキックがチャンスになると思って、それを今までもずっと愚直に繰り返していました。昨日今日言ったわけじゃなくてずっと言い続けていることです。」と話した。

この攻撃力増加が積み上げによるものだということを裏付けるデータもある。チームの得点数をJ1に昇格した2022年から見ていくと、2022年の30得点(チーム順位:16位)、2023年の40得点(13位)、2024年の43得点(14位)と年々増加傾向にあることが分かる。
逆境を乗り越えて築いたスタイル
右肩上がりの得点数を見ると一見順調なようだが、昨シーズンは5連敗も喫し、一時は最下位に沈む苦しい状況もあった。それでも福岡は、「こういうサッカーをして勝てない時期もあったけど、ヨーロッパのサッカーを見ても似たようなサッカーをしているチームもあるし、自分たちはこのスタイルでいくと決めた。それを継続してやれている」と苦しい状況でも自分たちのスタイルを貫いたことが、今の快進撃に繋がっていると話す。

そして、7月に川﨑颯太(現マインツ)が移籍したことにより、シーズン途中からキャプテンに就任した福岡は、「今の順位は偶然ではない。このクラブに、タイトルをもたらすことを決めてキャプテンを引き受けた。責任と覚悟をもっと示してやっていきたい」と力強く語った。

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