罪の重さを判断したり、生活の中で起きた争い事を解決したりする『裁判所』。
ニュース番組等で流れる廷内映像のほか、テレビドラマやゲームなどで登場する場面を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
今回は、その裁判所で戦い続けておよそ40年の菊地幸夫弁護士に、“知られざる法廷の世界”について伺います。
菊地弁護士:
「法廷には、秩序を守るため厳しいルールがあります。その名も『法廷秩序維持法』という法律がございまして、騒いだり暴言を吐いたりするなど、裁判所の職務を妨害すると罰則として、最高で20日間拘置所などに閉じ込められます。あるいは罰金を科せられる事もあります。
また、法令の規則で、写真撮影や録音を許可なくすることが禁じられています。例えば、傍聴席で、『証人尋問やっている。ちょっとメモしたいな』と思い、パソコンを開いてメモをとろうかなということも基本的にはできません。
一方、検察官や弁護士が法廷内の自分のデスクの上で裁判中にパソコンを使うのは構いません。ただし、傍聴席でパソコンを使用するというのは大体どこでも禁じられています」
――弁護士ドットコムの調べによりますと、「裁判官の居眠りを見たことがありますか?」と265人の弁護士に聞いたところ、なんと42%の弁護士が「見かける」と答えたそうです。寝ている裁判官がいるというのは事実なのでしょうか?
菊地弁護士:
「私は残りの58%で、実際に見たことはありません。しかし、『あの裁判官、この間寝ていた』っていうのは、話には聞きます。もちろん寝ていたからといって、すぐにクビ…ということではなく、裁判官の職務を失わせるためには相当厳しいハードルがあります。すぐにクビとはなりませんが、間違いなくあってはならないことです」
――どうして寝てしまうのでしょうか?
菊地弁護士:
「やはり、かなり裁判官の仕事は大変なんです。例えば、東京に所属している民事の裁判官お一人に『今、何件の手持ち事件がありますか?』と尋ねると、今抱えている事件として『200件前後』とおっしゃるのではないでしょうか」
(関西テレビ8月17日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)