学校とは別の場所に「居場所」を見つけた子供たちの生の声が語られました。
3月23日、近江八幡市で開かれたフォーラムに登壇した子供たち。
【フリースクールに通う子供】「(理想の教育は)夢を持ったり、目標を持つことなんだけど、そのためにも目標がないときに目標を一緒に見つけてくれたり、目標を一緒に探してくれる」
登壇した子供たちは全員、学校ではなく、市内のフリースクールに通っています。「不登校の子供たちが“生きやすい社会”になってほしい」という思いから、このフォーラムが開かれました。
■頑張りたいけど頑張れない時期もあったと語る子供 フリースクールが居場所に
【フリースクールSince 麻生知宏代表】「頑張りたいけど頑張れない時期は、みんなはあったりした?」
【フリースクールに通う子供】「俺はあったと思う。最初は母親にいろんな所に連れて行ってもらったりしてたけど、途中から人と会うのが嫌になった時期があったから。そういう時期はひたすら家にこもって友達と遊んだりとか。今はどうやってこうなったのかなと思った時に、親とかフリースクールのスタッフのおかげかなと思う」
学校に行っていない子供たちの居場所となっているフリースクール。不登校の小・中学生は全国で約30万人と、毎年増加する中、フリースクールは勉強だけでなく、社会とのつながりも提供する大切な場となっています。
【フリースクールSince 麻生知宏代表】「学校、家庭に代わる第三の現場として、質的にも量的にも充実していくために、社会の一員の皆さんと一緒に考えていくことが大事かなと思っています」
■フリースクール支援は「国家の根幹を崩す」と発言した市長も
その一方でフリースクールを巡っては、去年ある騒動がありました。滋賀県東近江市の小椋正清市長がフリースクールへの支援について、「国家の根幹を崩す」「不登校になる大半の責任は親」と発言し、大きな波紋を広げました。
そんな中、22日、近江八幡市議会では、最大年間200万円のフリースクール運営費用の補助を盛り込んだ来年度の予算案が可決。さらに東近江市でも、県の助成金を活用し、保護者の所得に応じて最大月4万円を補助するということです。
財政的な支援は進む一方で、子供たちはときに疎外感を覚えることもあると言います。
【フリースクールに通う子供】「国が作った学校の枠から外れるんやったら、『もういいや』みたいな感じにされている。合わへんならもういいやみたいな」
【フリースクールに通う子供】「フリースクール自体ができてから、学校と比べて(歴史が)短いし、国に完全になじんでないというか、認められてないというか」
■「『不登校』を知ってもらい、悪い印象は減らしていきたい」と語る子供も
今回のフォーラムでは、教育関係者などの大人と子供たちの意見交換会が行われました。
【大人】「(学校に)行きたくないというのは、それぞれ違うと思うけど、正直なところを教えてほしい」
【フリースクールに通う子供】「家にいたほうが、いろんな人も来るし、楽しかったから」
【教育関係者】「いま中学校の教諭をさせてもらってて、(子供たちが)そういうふうに思ってるんやと、一教育者として今後に生かせたらなとすごい思った」
【フリースクールに通う子供】「いろんな人に『不登校』っていうものを知ってもらえた点では、いい経験になったのかな。悪い印象というものは減らしていきたいなと思っているので」
フリースクールに通う子供たちの本音。社会はどう受け止めるのでしょうか。