■初の死亡者か 因果関係疑われる事象で遺族と面会 新たに50人が入院
小林製薬が販売していた紅麹を原料とする機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人に腎疾患が確認されている問題。
26日、新たにこのサプリメントを摂取していた人が死亡していたことが判明しました。
「ご連絡をご遺族様からいただき、製品と死亡との因果関係が疑われる事象を1件把握いたしました」
小林製薬によると、亡くなったのは高齢者で、2021年から2024年にかけて通信販売でサプリを購入していて、「腎疾患で亡くなった」と3月23日に遺族から連絡が入ったということです。
摂取と死亡との因果関係が疑われるということで、小林製薬は26日に遺族と面談し、詳細を確認するということです。
また、これまで小林製薬の相談窓口には3600通を超えるメールが届いていて、26日までに新たにおよそ50人が入院したことも判明しました。
小林製薬は、3月22日の会見で、サプリから「未知の成分」が検出されたと説明していて現在、この成分の特定や、腎疾患との関連を調べています。
【小林製薬・渡邊淳執行役員】「中に入っているものがまだ特定はできていません。まだまだ仮設段階だが、カビからつくられるものがあるのではないか」
■コレステロール値は下がったが…45歳男性“80代の腎臓に”
相次ぐ腎疾患の報告。2024年1月から毎日サプリを飲んでいた45歳の男性は腎臓の機能が急激に低下したといいます。
【摂取していた45歳男性】「これを飲んでコレステロール値が3月に検査したら下がっていたんですけど、これ以上に医師が『腎臓おかしいよね』って。医師からは『80代くらいの腎臓』だと言われました」
このサプリとの因果関係はわからないといいますが定期的な血液検査が必要な状態だといいます。
【摂取していた45歳男性】「ショックでした。これが原因だったら、これ飲むのをやめたら回復するのかなって不安もありますね」
■複数人から腎疾患の申告…自主回収発表まで“行政”に報告せず
さらに、小林製薬は2024年1月に複数人から腎疾患の申告があったものの、3月22日の自主回収発表の段階まで行政に報告していなかったことも明らかに。
【武見敬三厚労相】「小林製薬が原因究明にあたって、さまざまな調査を行っている間に行政に情報提供を行わなかったのは遺憾である」
厚労省は26日、小林製薬の担当者から現在の対応状況についてヒアリングを行うということです。
死亡事案の報告を受け、小林製薬の本社がある大阪市の横山市長は「一刻も早い原因究明に努める」と話しました。
【大阪市・横山英幸市長】「非常に残念ですし大変な状況。一刻も早くどういった因果関係があったのか、大阪市としても可能な限り取りうる選択肢は全て取って調査するなり連携して情報収集にあたりたい」
■相次ぐ自主回収 京都で「西京漬け」を製造の会社も
また、小林製薬は、自社で製造した紅麹原料を食品メーカーなど52社に供給していました。この紅麹を使った商品を自主回収する動きが26日も広がりました。
【記者リポート】「こちら、小林製薬が回収を発表した紅麹です。このように赤い粉末状になっています」
愛知県小牧市にある山本漢方製薬は、ダイエットをサポートするサプリメント「内脂ブロッカー」に、小林製薬の紅麹を使用していたため自主回収を発表しました。
【山本漢方製薬・吉田正敏顧問】「報道などを見ると、かなり前から分かっていた話ということですので、もう少し早く連絡がほしかった」
長野県伊那市にある酒造会社「仙醸」も自社製品「黒松仙醸どぶろくロゼ」について、自主回収を発表しています。商品にほんのりと紅い色をつけるため、小林製薬の紅麹を使用していました。
【仙醸・黒河内貴社長】「紅麹という天然由来の色の付け方ということでは、ある意味では、安心安全を重視するがゆえにそれを選んだところはある今回になって急に問題が出てきたということなので、今回のロットだけが問題があった可能性も指摘されているので、まだ何とも言えないというところ」
関西でも自主回収は相次いでいます。京都で「西京漬け」を製造、販売する京都一の傳も小林製薬の「紅麹原料」を使用した商品の自主回収を発表しています。
対象となるのは、2024年にWEBで販売した「大型いか紅麹みそ漬」と「大型いか焼き紅麹みそ漬」の2つの商品です。
自主回収や販売中止を発表したのは、これまでに醤油や味噌を扱う食品メーカーなど国内で少なくとも27社に上っています。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年3月26日放送)