トランスジェンダーを公表している弁護士に殺害予告のメッセージを送った罪に問われている男に、懲役10カ月の実刑判決が言い渡されました。
■「男のくせに女のフリをしている」「めった刺しにしてやる」などと脅迫する内容のメール
小野勝信被告(39)は、大阪弁護士会に所属する仲岡しゅん弁護士に殺害予告のメールを9回にわたり送った脅迫罪に問われています。 仲岡弁護士はトランスジェンダーを公表し、LGBTQ=性的マイノリティの人の人権問題などに取り組んでいます。
小野被告は、仲岡弁護士の事務所に「男のくせに女のフリをしている」 「めった刺しにしてやる」などと脅迫する内容のメールを送っていました。
これまでの裁判で小野被告は、「間違いありません」と起訴内容を認めています。 また、検察は「小野被告は、かねてからジェンダー論争に関心を持ちLGBT法案に関する仲岡弁護士の主張をネット上で見て、その思考を変更させるには暴力で押さえつけるしかないと考え脅迫した」と指摘していました。
■「同様の罪で服役経験もある。反省、謝罪の態度をみせているが実刑で臨まざるを得ない」
11日の判決で大阪地方裁判所の角田康洋裁判官は、「被害者がLGBTに関し、被告人と異なる感情を持っているという身勝手な考えにもとづく犯行で、単発ではなく9回にわたり、生命を脅かす告知をしていて悪質。被害者に与えた恐怖は大きい」と指摘。 「過去に建造物侵入や威力業務妨害など前科あり、本件と同様の罪で服役経験もある。悪質性と前科を考えると、反省、謝罪の態度をみせているが実刑で臨まざるを得ない」として懲役10カ月の実刑判決(求刑1年6カ月)を言い渡しました。 そして最後に角田裁判官は、「裁判の中で『二度としない』と言ったことを忘れないでください」と被告に語りかけました。
(関西テレビ 2024年1月11日)