兵庫県明石市の親子が、児童相談所の判断によって1年3カ月間離れて暮らすことになった問題で、明石市の泉市長は内部検証は不十分だとして第三者委員会を設置して検証することを明らかにしました。
【明石市・泉房穂市長】
「子供の命を守るため、毅然と保護するためには、一時保護した直後に、一時保護の妥当性を第三者に見てもらう目を入れてこそ、一時保護は毅然とできるという立場です」
2年前、明石市に住む母親は生後50日の次男が右腕を骨折したことで児童相談所に虐待を疑われ次男を一時保護されました。
児童相談所は「100%虐待である」との内科医の診断をもとに乳児院への長期入所を求める審判を申し立てましたが裁判所は「虐待は認められない」と判断。
保護開始から1年3カ月後に次男はようやく自宅に戻されましたがその間、親子の面会は月に1~2回しか認められませんでした。
【次男を保護された母親】
「生きた心地しなかった。息子奪われて、平穏な日常を奪われて。そういったことを児相はどう思ってるのかなって」
9月、明石市の泉房穂市長は児童相談所の対応に問題があったとして両親に謝罪し、内部で検証を行うよう指示していました。
そして児童相談所から検証結果の報告を受けた泉市長は…
【明石市・泉房穂市長】
「今回の内部検証では一時保護の問題も入っていませんし、ある意味不十分。自ら行ったことを違う目で見つめ直すのは難しいんだと思う」
そして、泉市長は10月中にも、外部の有識者を含めた第三者委員会を設置して一時保護のチェックの仕組みも含めて検証することを明らかにしました。
今回のように一時保護から高等裁判所の決定が出るまで児童相談所の判断だけで保護ができる仕組みにこそ大きな問題があると話します。
【明石市・泉房穂市長】
「子どもとその家族を支援する仕組みが弱いわけです。法律も未整備なんです。児童相談所が全責任を負う形で子どもを保護したり、家庭復帰させたりする状況がありますから、これって望ましくないんです。やっぱり第三者の目が入らないと、間違いを是正しにくいわけです」
泉市長は第三者委員会には年度内(来年3月まで)に検証結果をまとめてもらい次年度から運用の見直しを行う方針です。