土地を売るとしたら、なるべく損はしたくはない、値引きの幅は抑えたいはず…
なのに、どうして値引きの金額は、1億円でもなく、4億円でもなく、8億円となったのでしょうか。
国側が8億円値引きしたワケを追跡!
【籠池諄子被告】(塚本幼稚園 ことし3月)
「ひたすら自分の信念で生きているお父さんは、素敵よって」
幼稚園の副園長として、妻として、常に籠池泰典被告のそばにいた諄子被告。
しかし、籠池夫妻と国の交渉とのみられる音声には、諄子被告の別の一面が記録されていました。
<音声データ>
【籠池諄子被告】
「あんたらは、どこまで根性悪いねん」
「あんたらとは、徹底的に戦うわ、これ、もう絶対におかしいもん」
「どこまであんたら、根性腐っとんや。よくこんな無責任なこと言うな、鬼!」
密室で行われた価格交渉。
罵声を繰り返し浴びせる諄子被告に、国側もタジタジになります。
【籠池諄子被告】
「安くでっていうのに、園長の耳元で、『安くなるように』って言いながら、結局高くやりよったんです」
【国側】
「あの、ちょっと…」
この言葉づかいだけでも辟易しそうですが、諄子被告は他にこんなキーワードも繰り返し使っていました。
【籠池諄子被告】
「開校が遅れて6月の生徒募集もできへんということに対しては、あんたら、どうすんねん。損害賠償やろ。その話も裁判になったら、そないなんねん!国家賠償請求せなあかんやんな!」
賠償というキーワード…
捜査関係者は「国側は、開校が遅れた場合の訴訟リスクを避けるため、破格の価格で早期の売買を行った可能性がある」とみているのです。
国側が8億円値引きしたワケを追跡!
「安倍昭恵夫人の存在?」
【籠池泰典被告】
「昭恵夫人に名誉校長になっていただいたことが、ある時期から早く、土地についてスピーディーに物事が動いたのではないかなと思っております」
森友学園の小学校の名誉校長だった安倍昭恵夫人。
8億円値引きにはその存在が影響したと、籠池被告は匂わせます。
昭恵夫人の名前は、音声データでも「切り札」として使われていました。
【籠池泰典被告】
「きのう財務省から出た途端、安倍夫人から電話がありましたよ。『どうなりました?』って。『頑張ってください』って言ってはったけど。なんて答えたらいいんやろ?どうしよう、分からへんわ」
近畿財務局の元職員は、8億円の値引きについては「政界や中央官庁の意向が働いたとしか考えられない」と話します。
【国有地取引に40年以上携わった近畿財務局の元職員】
「だから、“東京”とか安倍昭恵さんの存在とか抜きには考えられない。近畿財務局だけの判断で今回の処理が進んだなんてありえない」
民進党は、一連の音声データについて財務省を問いただしましたが…
【民進党 今井雅人議員】
「明らかに事前に交渉していて、しかも国側から提案している。これまでの国会答弁とまるで違う」
【財務省の担当者】
「報道内容について、財務省として何らかのコメントをする、独自の調査をすることは、恐縮だが答弁を差し控えたい」
【民進党 杉尾秀哉議員】
「うやむやになったら、それで全部終わると思っているの?僕らは絶対許せないからね」
音声データから浮かび上がった、森友学園問題のウラ側。
国は「訴訟リスク」を回避するために、新たなゴミが見つかったというストーリーを「口裏合わせ」で作り上げ、「ウソ」をついて覆い隠そうとしたのか?
そして、その背後には安倍昭恵夫人の存在があったのか?
野党議員からは、国は全く説明責任を果たしていないとの声が上がっています。
【民進党 小川敏夫参院議員】
「やっぱり安倍さんなんでしょ、安倍夫人ね。それは指示があったのか、忖度があったのか。不自然なことに流れた背景には安倍昭恵さんの関与ということがあるんでしょうけどね。ありもしないゴミを作り上げて値引きしたという客観的な状況そのものが(行政の)仕組みのあり方として不正ですよ」
【共産党 宮本岳志衆院議員】
「そういうシナリオでいこうじゃないかというやり取りがされているわけですから、全てはあとからでっち上げたものだという疑惑が、可能性が極めて高くなった。安倍昭恵さんをはじめ、語るべき人は堂々と国会の場なりで真実を語るということが必要だと思います」