他の野党が審議拒否でも「僕らは行く」…秋までの衆院選見据え"成果"にこだわる姿勢を 日本維新の会・遠藤国対委員長に訊く【後編】 2021年04月07日
東京駐在のカンテレ記者が、キーパーソンに取材するWEB特別レポート。
今回は、日本維新の会で国対委員長を務める衆議院議員の遠藤敬氏です。
高校卒業後、飲食店経営、日本青年会議所大阪ブロック協議会長などを経て現職。現在3期目。
国対委員長の仕事 法案の“入口”と“出口”を考え国会のスケジュールを管理
――Q:話は変わりますが、国対委員長の仕事は有権者からしてもなじみが薄いと思います。どういったことをしているんですか。
分かりやすく言うと、国会のスケジュールを管理しています。
厚労省など、それぞれの省庁からの「こんな法案を国会に提出します。今国会で是非成立させたい」という話は、まず国対委員長に来るんですね。それで国対委員長がどの日に委員会に付託をし、どの日に本会議で趣旨説明をして、いついつ本会議で採決するということについて、“入口”と“出口”のスケジュールの管理を一手に引き受けて、各政党の国対委員長の間で調整するのが仕事です。
――Q:直近では、与党と日本維新の会が「デジタル庁」の設置を柱とするデジタル改革関連法案で修正協議をしていたと思いますが、遠藤議員はどういう動きをしているんですか。
そもそも、本則の修正は本当に難しいんですよ。本則というのは、要は、法案の骨格の部分です。それを政府が変えることは、ほぼほぼないんですよ。閣議決定したものに付け加えるわけだから。これはなかなか出来ないんだけど、僕が国対委員長になってもう5本くらいやってます。通常であれば「本案は可決いたしました」というところ、「本案は修正議決いたしました」と本会議で議長が、おっしゃるんですよ。
その修正ということを与野党の国対委員長の間でやってるんですね。
修正協議で野党の存在意義を 成果物を残すのが議員の仕事
――Q:維新の会としては、国と自治体の役割の所に「公正な給付の確保」という文言を盛り込むことで与党と大筋合意。
今日(4月1日)の委員会で修正合意で採決して、6日に衆院本会議で修正可決されます。実は、政府が自信を持って出してきてるものを我々が、調整をして修正するっていうのは大きなことなんですよね。他の野党がやっているかと言ったら、ほぼほぼやっていないですよ。自民公明との関係というものもあるし。これだけ野党が審議拒否していても僕らは出ていくわけですから。
僕自身は国対委員長としてもほぼ6年近くやってるけど、政府との協調でここ足らんのちゃうのと言ったときに耳を傾けてもらえるような政党間の調整、政府との調整というのをさしてもらってるんですよ。多くは水面下で調整をしているので、なかなか分かりづらいんですけどね。
修正をしたいと思ったら自民、公明、僕の3国対委員長間で、僕が要望に行って修正できませんかということで入り口を作るんです。
ずっと文句ばっかり言って揚げ足取ってても何の成果にもならないんですよ。修正することで国民の利益に少しでも寄与できる、プラスになると思って、修正協議とかをやってるし、政府与党とも真摯に対応してきた結果と思ってるんですね。
全部駄目駄目と言ったら何も話が進まなくて、修正協議すら出来ないわけですよ。国民のためでもあるし、僕を支えていただいてる地元の有権者の声というのもあるし、形に残していかないと、反対反対で審議拒否して何か成果が残りますかということですよ。僕らがしたことは、条文として残っていくわけだから。いつまで議員やってるかは別にしても、成果物を残していくのが野党であっても議員の仕事じゃないかなと思うのは普通の感覚ですけどね。
どっちがいいか判断するのは有権者ですけどね。
脱“大阪の政党” 他の野党との違い強調で支持拡大を目指す
――Q:その一方で、野党の支持率はどの政党も1桁台です。大阪では一定の支持がある一方で、日本維新の会が全国に支持を広げていくためにどういったことを考えているのか。
コツコツと国民のために働くということと、他の野党さんとは違うということと、あとは与党に対して良いものは良い、悪いものは悪いと対応し向き合い方をマンネリ化させないってことですよね。
地方自治をやってる松井市長、吉村知事がおられますけど、そういう地方自治体を担っている人がリーダーにいる一方で、大阪の政党と思ってるところがやっぱりまだ全国的にまだ多いんですよね。そこが一番全国に広がらないことの原因だと思うんですけど、だけど、こういうコロナとかね、いろんな国難ともいえる事態があったときにリーダーたる者の姿勢も理解されると思います。
別に大阪が全ていいということは、僕らも言うことはないですけど、いろんな形があって、こんな考え方もいいよねとかこういうリーダーもあるよねという考え方に立ってもらえるように、僕らは今までの野党とは違いますよと言うことを見せられるようにと。そういうことを積み重ねていくことが、僕は近道じゃないかと思っています。
自民党みたいに長いことやっている政党じゃないんやから結果を出し、成果を出していく。弱小政党やろうけど、こういうことを進めていくしかもう方法がないんですね。
(電話が鳴る)
僕らも2割カットはきついのはきついんだけど、選挙もあるからそういうこともあるかもわからんけど、国民側に立った立ち位置で考えると、より政治的な力が失われますよということを申し上げたところです。皆さんうなずいてる人もおったし、黙って語らずの人もいたけど、ほぼほぼそうやなという感じやな。
――Q:何の電話ですか
今日の議院運営委員会の理事会で、今実施している、国会議員歳費(給与)の2割カットが時限立法だから延長するように提案したんです。
誰も言わないから大丈夫かと。1年でしれっと元に戻したら、ワイドショーの餌食になりますよということを言った。これに反対はできないと思うんだよね。