新学期も始まりましたが、学校に通っていたころに「理不尽だと思っていた校則」について街で聞いてみると…。
女性:
「スカートが膝下7センチとかありました。階段上る時に、スカート踏んで転んじゃったとかありました」
男性:
「(髪の毛は)アイロン・ワックスを使ってセットするのはOKだったけど、パーマはダメだったんですよ。見た目は一緒なのになんでダメなんだろうってめっちゃ思ってました」
別の女性:
「制服着て通学路とかで手をつないで帰ったらアカンみたいな。(Q.恋愛禁止?)それはなかった。別に付き合っても良いけど、ベタベタは公共の場ではしたらアカンみたいな」
次から次へと出てくる、甘くない青春の思い出…。
ここ数年、理由がよく分からない、いわゆる「ブラック校則」が問題視されてきましたが、ついに国も動きました。
文部科学省が作る生徒指導のガイドブック「生徒指導提要」が12年ぶりに改訂されることになり、「時代に合わない理不尽な校則の見直し」などが盛り込まれることなったのです。
「校則は生徒個人の自主性を伸ばすものとなるよう配慮し、絶えず見直しを行うこと」として、学校のホームページで校則を公開することなども求めています。
ちなみに街では、次のようなブラックな体験談も…。
女性:
「靴下は白じゃないとダメ。しかも(丈は)くるぶしまで。(Q.校則を破ったら?)その場で買わされます。1足600円とか、超ダサいのに」
男性:
「眉毛より前髪が長かったらアウトでしたね。(Q.長かったら?)『その場で切れ』って言われて、切ってました」
校則は誰が決めるのか、今も残るブラック校則に法的問題はないのか…。菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「まず、校則は校長に決める権限があります。ただしブラックだと違法にもなり得ます。
裁判所の考え方として、学校を管理する責任者である校長が一定の範囲、つまり裁量をもって校則=ルールを作ると。ただ校長に決定権限がありますが、何でも良いということではありません。一定の裁量ということで、それは教育目的を達成するために必要な物じゃなきゃダメですよ、合理的な範囲内であまり変なものはダメですよと、こんな風に裁判所は校則というものを位置付けています。
ただ、『校則ってどこに法的根拠があるの?』と言われると、実は法令の規定では、あまりはっきりしたものはなく、ふわっとした形で決められているのが校則です。これでいいのかという意見も色々とあるところです」
――違法の可能性がある校則の実際の例としては「下着は白のみ」や「ツーブロック禁止」。理由はそれぞれ「昔から決まっているから」「政府がそう言っているから」…。こういった校則が本当にあるそうですが、これらはどのような理由で違法の疑いがあるのでしょうか?
菊地弁護士:
「まず皆さんも、この理由で『え?』と感じだと思います。先ほど申し上げましたように、校則とは生徒の健全育成、教育上の正しい目的があって必要な範囲で定めるものですが、下着を白のみにする目的はなんなのでしょうか。健全に育ってほしいというのはいいですが、それと下着が白って関連あるんですかと。おかしいですよね。ですからこれは校長の裁量の範囲をこえちゃってるのではないかと思います。
ツーブロック禁止もそうです。例えばツーブロックと非行はどう関係があるのでしょうか。これも裁量の範囲をこえていると思います。いずれも違法の可能性があるということですね。また、下着などは見えないものですし、それは児童・生徒のプライベートな自己決定が許される領域だと私は思います」
(関西テレビ9月7日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)