ザ・ドキュメント

2012年5月19日(土) 午前9:55~10:45

語り

滝川クリステル

企画意図

文化への行政の関わりをめぐって、大阪が揺れている。
大阪市の橋下市長は、去年12月の就任後、「今までの文化行政は間違っている、根本から見直していきたい」と語った。ユネスコの無形文化遺産に登録された古典芸能も例外にはならなかった。かつて鑑賞後に「2度目はいかないと思う」と橋下市長に言われた文楽への今年度の補助金は、凍結されたままだ。「グレートリセット」を合言葉に、猛烈なスピードで見直しが進められていく。番組では「文楽」に生きる人たちの戸惑いを追うとともに、「文化」への私たちの関わりについて考えたいと思う。

企画内容

日本が世界に誇るユネスコの無形文化遺産・文楽。人間国宝を6人も抱える古典芸能の一座である。
文楽は、「太夫・三味線・人形遣い」の三業が一体となって作り出す総合芸術で、三業のそれぞれが「技」を伝承する使命を持っている。座員は現在82人。一人前になるまでに何十年の修行を必要とする。

一度の舞台に大勢が必要にもかかわらず、人形芝居という制約から収容人数の多い劇場では公演出来ず、収益性は低い。昭和38年に松竹が興業から手を引いた歴史が、民間では難しいという事を物語っている。現在は国立の劇場(独立行政法人)が公演や後継者養成を主に行っている。

その文楽の本拠地は大阪である。大阪発祥の芸能を一部でも支えようと、これまでは大阪府や大阪市が財団法人「文楽協会」に補助金を投入してきた。「国立劇場以外の」地方公演をしているほか、文楽座出演者のマネジメントを行っている。しかし、それが橋下市長の「グレートリセット」で、見直しの対象となっている。

今年度の補助金は今も凍結され、今後どうなるのか関係者にも全く分からない状態だ。補助金は文楽協会の職員の給与など、運営費に使われていたため、協会の体制に影響が出かねない。
国立劇場以外の文楽協会主催の地方公演等の仕事が減れば、座員の収入は下がる可能性がある。今でも親からの仕送りを受けながら生活する座員がいる現状で、不安が広がっている。

今年度の補助金は今も凍結され、今後どうなるのか関係者にも全く分からない状態だ。補助金は文楽協会の職員の給与など、運営費に使われていたため、協会の体制に影響が出かねない。
国立劇場以外の文楽協会主催の地方公演等の仕事が減れば、座員の収入は下がる可能性がある。今でも親からの仕送りを受けながら生活する座員がいる現状で、不安が広がっている。

しかし現実には、「国・自治体・文楽座」の3者が文楽を支えていて、変革は簡単ではない。長年をかけて積まれた課題は複雑に絡み合っている。その改革方法とスピードを間違えば、後継者が激減し300年以上続いた芸能が急に失われる恐れもある。

大阪で生まれて育った文化は、将来どうなっていくのか、その行方を「文楽を見たことのなかった取材班」が見つめた。

スタッフ

撮影:関口高史
撮影助手:藤本智也
編集:津田久嗣
MA:山岡正明
効果:西原長治
ディレクター:柴谷真理子
プロデューサー:土井聡夫

制作著作:関西テレビ放送

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