4月1日から18歳、19歳も「成人」となり、親の同意なしにクレジットカードなどの契約を自由にできるようになりました。
消費者庁によるとコロナの影響もあって、今ネット通販での契約トラブルが急増しています。
特に多いのが…。
消費者庁の担当者:
「最近は“定期購入”に関する相談が多く寄せられています。よくある落とし穴として、例えば『初回500円』という安さにひかれて注文したら、実は定期購入契約となっていて、高額な支払いを求められたといったもの。また『いつでも解約可能』というので安心していたら、解約すると高額な違約金が請求されるといったようなトラブルが聞かれます」
“お試し”のつもりで申し込んだら、知らぬ間に長期の契約に…。
さらに、なかなか解約もできないといった、悪質ないわゆる「定期購入商法」。
相談件数は2015年に4000件ほどだったのが、年々増えて2020年は約6万件に(消費者庁調べ)。
その多くは、健康食品や化粧品だということです。
街で聞いてみると…。
街では:
「ありますあります。『一回でも構いません』ってなってたんで押したら、そのまま定期コースに…」
街では:
「ダイエットサプリ、筋肉増量のやつ。初回安くて定期購入になって高くなったみたいな」
街では:
「どうやって解約したらいいか分からなくなる。分からんようにしているのかな?なんか分かりにくい」
相次ぐ被害を受け、今年6月から画面表示の方法など事業者に対する厳しいルールができます。
一体、どんなルールで何が変わるのか、菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「『この表示、分かりにくい』と思ったら解約ができるようになります。初回だけお試しで…という言葉に乗ったらその後にも長い契約文があってというような、一見して分かりにくいような表示はダメですと特定商取引法の改正で禁止されます。あとは誤認ですね。色んな期間とか量とか代金とか、そういうものを誤認させるような表示も禁止です。そういう表示をしていたことによって契約をしてしまったら、その契約が取消可能、白紙に戻せるということになります」
――文字が小さすぎる、分かりづらいといったことは、感じ方が個人で違うと思うのですが、その点はどうなのでしょう?
菊地弁護士:
「客観的にそこは判断することになると思います。誰が見ても分かるものを『分からない』というのはちょっと難しいかもしれませんね」
――ネット通販などで、解約条件等がリンク先の別ページに詳しく書かれていて、そこをキチンと見なかった場合などはいかがでしょう?
菊地弁護士:
「基本的には、ポチっと押したら契約成立ですよという“最終の画面”に、量や期間、解約条件等を全部分かりやすく書いておいてくださいということになります。ですから『コチラ』などとしてリンク先で条件を読ませる表示は禁止となるので、消費者が見なかった場合でも契約の取消しができる可能性が高いと思います」
――定期購入商法でなかなか解約できない場合、具体的には全然電話がつながらないといったことや、「今やめると逆効果だよ」と引き留められることなどについても法改正で対応がなされているんですね。
菊地弁護士:
「改正法では解約の妨害禁止ということが書かれています。つながらない電話番号や『解約すると損をする、逆効果だ』とウソを告げるなどといったことは禁止されています。悪質な業者ですと、最初から狙いとして電話をつながりにくくしているということはあり得ますね」
――この法律改正が行われると、ずいぶん状況も変わるのかなと思うのですが、消費者側も気をつけなければいけませんね。
菊地弁護士:
「対策が強化されても油断してはいけません。確かに消費者にとっては一歩前進、味方になってくれる法改正ですが、やはりひっかかってしまっては、そこからどうやって被害を回復するのか、弁護士に頼むのか、どこに相談したらいいのか、時間やお金など色々と大変ですので、まず引っかからないことが重要です。ですから金額や期間、解約条件などをちゃんと確認する。これはもう『いろは』です。また申込の画面をスクリーンショットなどで証拠として保存しておくといった備えをしていただければと思います。後々大事になります。一方で、法律で定められている救済方法には、『期間制限』などもありますので、早めの相談が大切です。もしお困りの場合は、各自治体の消費者センターや、消費者ホットライン『188』までご連絡いただければと思います」
(関西テレビ2022年4月13日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)