会計不正や品質不正が明らかになった京都市に本社があるモーター大手「ニデック」は、経営トップの岸田光哉社長(66)が29日付けで辞任したと明らかにしました。
新しい社長には、現在、専務執行役員を務める戒田理夫氏(70)が就任したということです。
ニデックをめぐっては、グループ内で収益を過大に計上したり損失の計上を先延ばしにしたりするなどといった不正が見つかったほか、一部の製品で顧客に無断で設計を変更するなどの品質不正も明らかになっています。
このため、会社は「業績への影響を精査する必要がある」として、2025年度の決算などをまとめた有価証券報告書の提出を本来の期限から3カ月延長し、30日が提出期限となっています。
こうしたなか、ニデックは29日に臨時の取締役会を開き、岸田光哉社長の辞任を決定したと明らかにしました。
辞任の経緯について、会社は「2025年度の決算や過去の決算の訂正を行う過程で、グループ役職員の旧執行体制下における行為を再評価する中で、財務報告に関し必ずしも適切とは言いかねる言動もあったことが確認された」ためとしています。
岸田社長は、ソニーの代表取締役などを経て、2022年にニデック(当時「日本電産」)に入社し、おととし(2024年)6月に現在の代表取締役社長に就任しました。
■「一連の問題は永守氏を起点」との認識示した岸田社長 自身は続投に意欲
岸田社長は、今月4日の記者会見で「企業風土の部分で会計(不正)から品質(不正)につながっていく要素がみられる」と話し、いずれの問題も創業者である永守重信氏を起点とする強すぎる業績へのプレッシャーを原因として引き起こされたとの認識を示しています。
一方で、自身の経営責任については「いろんな案件を本当に正しくやるために、課題を出し切ってそれを直していくことそのものが、私自身が取り組むべき課題だと考えている(ことし5月の会見)」と話すなど、続投に意欲を見せていました。
■新しく社長に就任する戒田氏は代表権のない社長に
ニデックは、2025年度の決算や財務諸表などをまとめた「有価証券報告書」を30日までに財務省関東財務局に提出することになっています。
会社は当初、一連の問題に伴う損失の規模を約2500億円と見込んでいましたが、28日の会社の発表によると「大規模な減損処理の計上を検討している」としています。
さらに、ニデックの株式が「特別注意銘柄」に指定されていることから、来月(10月)末までに指定解除に向けて内部管理体制などの改善の取り組みをまとめた報告書を東京証券取引所に提出することになっています。
報告書などの審査の結果、内部管理体制などが改善されていないと判断されると、最悪の場合、上場廃止となる可能性があることから、新たな経営体制のもとでも正念場が続きます。