自民党と日本維新の会が連立を組んだ際の合意文書には「議員定数の1割削減法案を臨時国会で提出し、成立を目指す」と明記されていましたが、この実現をめぐって両党の間に温度差が生じています。
この状況について維新の創設者でもある弁護士の橋下徹氏は「維新内部でも意見が二分化されている」と党内の事情を解説しました。
■「身を切る改革」が足踏み 「法案出てくる前に”ごちゃごちゃ”言うのはどういうつもり」と藤田共同代表
11月10日、自民党の鈴木俊一幹事長は「具体的な結論を臨時国会中に決めるのは難しい」との見解を示しました。
鈴木幹事長は「各党に色々思いがあり、政党や議員の身分に関わるため、幅広く議論をしなければならない」と説明しています。
これに対し、日本維新の会の藤田共同代表は「法案がまた出てくる前に、何か後ろ向きなことを、『ごちゃごちゃ』言うのは、どういうつもりで…」と反発。
両党の姿勢の違いが鮮明になっています。
■維新内部でも意見が二分化 「早く自民と別れたい」派「関係は継続していく」派
橋下徹氏は維新内部の状況について、「維新の中でも2つのグループに考え方が分かれています」と指摘。
一方は「もう早く自民と別れたい」という強硬派で、「議員定数の削減の法案が成立しなければもう別れて、維新は維新でやっていく」と考えています。
一方で、吉村代表を中心とするグループは、「色んな理屈をつけてでも、自民と維新の関係は継続していく」方向だと橋下氏は分析。
「吉村さんの発言はだんだん変わってきて、最初は『ちゃんとやってくれなかったら別れるぞ』というニュアンスだったのが、今は『もう今国会で完全に成立しなくても、別れるような問題じゃないよ」と、柔軟な姿勢に変化していると指摘しています。
■「落とし所」を探る両党
関西テレビ神崎博解説デスクによると、自民党幹部は「今国会で整理させるのは難しい。無理だろう」としつつも、「維新とは数の力もあるので離れてほしくない。どうやって維新が納得できる落とし所を探るのか、今一生懸命やっていて、ここまでやったら維新が納得してくれるというポイントを探っている最中」だと語っています。
橋下氏はその落とし所として「プログラム法案」の可能性を指摘。 「例えば50(議席)は削減と決めておいて、細かな制度設計は、(来年秋の)次の国政調査の結果を見て具体的な制度設計をします、という中間プログラム法案みたいな形だったら賛成するんじゃないか」と提案しています。
さらに「これは国民民主も立憲も反対できない」と指摘します。
■維新内でも食い違う意見 法案提出か採決か
維新内の意見の相違点として、橋下氏は「法案を出せば良い」と考えるグループと、遠藤国対委員長のように「法案を出した後、採決までやってくれ、賛否をはっきりさせてくれ」と要求するグループがいると説明しています。
維新内では「自民党との連携を早く解消して維新単独でやるべき」という意見と、「自民党と組みながら副首都法案をなんとか成立させるために連携を維持すべき」という意見が「半々ぐらい」だと橋下氏は分析しています。
今後、自民党と維新の連立協力がどのように展開していくのか、議員定数削減問題が一つの分岐点となりそうです。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年11月13日放送)