2月24日でロシアによるウクライナ侵攻からちょうど2年となります。この2年間、ウクライナの首都・キーウから日本向けのSNSなどで発信を続けてきたボグダン・パルホメンコさんが、「ウクライナの現状を伝え、支援を呼びかけたい」と16日に来日しました。
■子ども時代を過ごした大阪へ
子ども時代を大阪で過ごし、日本語も母国語並みに話すボグダンさんにとって、大阪は「ふるさと」です。
■直接会えた支援者たちに「皆さんの思いを届けられてうれしい」
22日、来日中のボグダンさんは大阪市内にあるカフェを訪れました。ボグダンさんの今回の来日の大きな目的の一つが、SNSを通じて支援してくれた人たちに会うことです。
【支援者】「こんにちは。奈良から来ました。最近電気ベストを送ったんです。あとはマルガネツクの孤児院に子ども服を届けていただいたんですけど」
この寄贈の様子は、ボグダンさんのYouTubeで配信されていました。さまざまなサイズの下着などが詰まった段ボール。2023年11月、寄付された服や下着などが、避難した子どもたちが暮らす施設に届けられました。 交流会で、寄贈した支援者に直接会うことができたのです。
【ボグダン・パルホメンコさん】「孤児院も洋服が足りないとおっしゃっていたので、皆さんの思いを届けられてうれしい。本当に人のためになっています」
今回の交流会について、SNSで告知したのは3日前でしたが、会場に入りきらないほどの約100人が集まりました。
【支援者】「大阪の淀川区から来ました。息子がずっと2年間支援をしていて…。ちょっと痩せられたので、すごく心配しています。お肉をしっかり食べて、大阪のおいしいものを食べていただいて、元気で帰っていただけたらすごくうれしいです」
【ボグダン・パルホメンコさん】「どれだけのことを言っても伝えられない感謝を皆さまに対して持っています。僕らが2年間、心折れずにがんばって来られたのは皆さまからのサポートがずっと続いているからです」
■災害大国日本ならではの“ウクライナ支援”も
ボグダンさんは22日、関西テレビの「newsランナー」に出演し、ウクライナの現状や日本への思いについて語りました。
Q.今後、日本にできる支援にどのようなことを求めますか?
【ボグダン・パルホメンコさん】「復興に関しては、日本の政府が58兆円という、本当に大きなお金を用意してくださっています。それをどういうふうに使って、ウクライナを今後サポートできればいいのかというのは、日本国民とウクライナ国民、一緒になって考えるべきだと思います。ぜひそのお力添えというのを、日本の国民1人1人にいただければと思っております」
【吉原功兼キャスター】「日本にしかできない支援もあると思います。災害大国日本ならではのやり方、地雷の撤去、がれきの除去、インフラの整備などの支援を私たちも考えていかなくてはいけませんね」
【ボグダン・パルホメンコさん】「本当に今回は現状発信するとともに、どちらかというと、今までの2年間に感謝を伝えるということが、僕の目的です。そして、本当に今を大切に生きてください。今ある普通というのは、普通じゃなくて本当に貴重なものですので、今を大切になさってください」
■「普通」がどれほど貴重なものなのか
現在、ウクライナからの成人男性の出国は非常に難しくなっている中、ボグダンさんは、侵攻から2年の節目に、日本への支援の呼びかけや感謝を伝える目的での出国が政府から認められ、来日が実現しました。
交流会やテレビ番組出演の合間に訪れた大阪市内の公園。そこには日本の日常の風景がありました。この「普通の光景」がいかに貴重なものなのか、ボグダンさんは繰り返し話していました。
(関西テレビ 2024年2月22日)