1か月後に迫りました大阪府知事・大阪市長のダブル選挙。維新と非維新の争いということになりますが、今回維新は初めて「大阪都構想」を公約に掲げませんでした。では何について争われる選挙になるのでしょうか。3月1日、主な立候補予定者の政策が出揃いました。
大きな拍手に包まれて、派手な登場をした2人。有名人のファンイベントのように見えますが、政治資金パーティーなんです。大阪府知事選挙と大阪市長選挙に、それぞれ立候補を表明している法学者の谷口真由美さん(47)と大阪市議の北野妙子さん(63)。長年の維新政治を検証すべきだと、大阪の経営者らが立ち上げた政治団体「アップデートおおさか」からの要請を受け、立候補しました。
インバウンド頼みではない成長戦略や、大阪独自の統一テストの廃止などを訴える中、2人が特に語気を強めたのは、維新が“経済成長の起爆剤”として推し進めてきた「カジノを含む統合型リゾート=IR」について。
【大阪府知事選に立候補表明 谷口真由美さん】
「大阪IR・カジノというのは問題が多すぎるのではないかと」
【大阪府市長選に立候補表明 北野妙子さん】
「最初はね、『お金は入れない、公金は入れませんよ』と言ってて、民間に貸すだけで、儲けだけが入ってきますねんと、こういうおいしい話だったんです」
【谷口真由美さん】
「そんなおいしい話あったんですか」
IRについて、維新側が住民に十分な情報を開示していないと批判した上で、賛否を問う住民投票を実施すべきだと訴えました。
しかし、今年1月に開かれた大阪維新の会の全体会議では、
【大阪維新の会代表 大阪府知事選に立候補表明 吉村洋文さん】
「所得制限を撤廃して8つの無償化、維新版教育無償化モデルを打ち立てました」
現職の知事で再選を目指す吉村洋文さん(47)と、市長選への立候補を表明した大阪府議の横山英幸さん(41)は、これまで看板政策だった“IR”には触れず、「子育て・教育の無償化」を前面に押し出しました。維新が今回の選挙戦で訴えるのは「府市一体の成長戦略」。二重行政を解消してきた維新だからこそ、実現できる政策だと訴えています。
【大阪市長選に立候補表明 横山英幸さん】
(Q.維新としてIRについて今後訴えていく?)「決して主張を逃げることもないし、論点になれば議論もします。僕らが『IR進めたいんです』っていうのが、住民の皆さんが維新に求めてる主張かというと、僕はそうじゃないと思う。僕らが思う争点は、“府市一体”やと思います。二重行政の解消と、大阪は府と市でバラバラになるのか、一緒にできるのか」
【大阪府知事選に立候補表明 谷口真由美さん】
「(府市)一体化するからうまくいく・いかない、二重行政っていう話をよくされるが、2つあったっていいものがあるはずなんですよね。(維新に)二重行政が悪いっていうイメージを、あまりにも強く植え付けられたんじゃないか」
大阪府知事選挙には共産党推薦で無所属の元参議院議員・辰巳孝太郎さん(46)が立候補を表明しています。中小企業の支援や、再生エネルギーを活用した街づくりを政策に掲げるとともに、IR計画の撤廃を訴えています。
【大阪府知事選に立候補表明 辰巳孝太郎さん】
「大阪の未来、大阪の子供たちの未来に、カジノはいらないということ。これをまず訴えたい。そして維新政治を終わらせることをやりたい」
参政党公認で歯科医の吉野敏明さん(55)も大阪府知事選挙への立候補を表明していて、「無駄を切りすぎる緊縮財政」に反対し、経済を活性化すると訴えました。
【大阪府知事選に立候補表明 吉野敏明さん】
「この国に住んでいて楽しいなとか、希望があるなとか、子供を作りたいなとか、結婚したいなとか、将来はいい国なんだなということを作ることが本当の経済対策なんです」
一方、大阪市長選挙には、理学療法士の山崎敏彦さん(44)、飲食店経営の荒巻靖彦さん(58)がともに無所属で立候補を表明しています。
大阪府知事選挙は3月23日に告示、大阪市長選挙は3月26日に告示され、投票日は4月9日です。
(関西テレビ「報道ランナー」2023年3月2日放送)