“宇宙飛行士”は28歳医師・米田あゆさん「可能であれば、私が月に行きたいな」 実は関西人…母校・神戸女学院の恩師「えっ宇宙!チャレンジ精神に驚き」 モットーは『場を和ます』 2023年02月28日
14年ぶりに新しい“宇宙飛行士”の候補者が発表され、関西育ちの28歳の女性も選ばれました。
あのアポロ計画の月面着陸から半世紀あまり。今、宇宙で着々と進むミッションが「2030年ごろ、月におうちを建てること」。その名も「アルテミス計画」に加わった日本は、いよいよ日本人として初めて“月”を目指します。そんな宇宙飛行士候補として2月28日に、14年ぶりの合格者が発表されました。
■現役最年少飛行士「米田あゆさん」、過去最年長飛行士「諏訪理さん」
「米田あゆと申します」「諏訪理と申します」
今回は募集条件が大幅に緩和され、過去最多の4000人以上が臨んだ試験を勝ち抜いた2人。これまで活躍した日本人宇宙飛行士たち11人と肩を並べることになります。
【諏訪理さん】
「合格の連絡をもらったのが24時間前なんですけれども、気持ちが高ぶってあまり寝られなかったです」
興奮した様子で話す諏訪理さんは、アメリカ・ワシントンD.C.からリモートで参加しました。世界銀行で働く、2人の娘のお父さんが、史上最年長46歳で夢への切符をつかみました。
一方の米田あゆさんは現役の宇宙飛行士の中では最年少となる28歳。東京大学を卒業後、日本赤十字社医療センターに務める外科医です。女性の合格者は、山崎直子さん以来24年ぶり3人目です。
【米田あゆさん】
「医者としてのキャリアが、宇宙空間で人体に変化が起こったときに、生かせるのではないか、生かしていきたいと考えております」
■米田さんの母校・神戸女学院 教え子の快挙に恩師も笑顔の会見
そんな米田さん、実は関西育ち。中学・高校時代に通っていた神戸女学院では早速会見が開かれ、当時の担任・稲垣先生が教え子の快挙に笑顔を見せました。
【神戸女学院 稲垣祐子先生】
「『えっ宇宙…』と驚いたが、彼女らしいなと思いました」
「スポーツ大好きで、活発な生徒だったんですけれども、この子はいつも笑顔だなと思いました」
米田さんは英語が得意で、物おじせず話す姿が印象的だったそう。3年前に連絡を取ったときには、そのチャレンジ精神に驚いたと話します。
【神戸女学院 稲垣祐子先生】
「『医師として患者に寄り添うときに心のケアが必要だ』ということで、やはり芸術が大きく貢献するんではないかと、『芸術についても学んでみたい』と言っておられた。芸術と医学と2足のわらじかなと思っていたところに、きょうのニュースが飛び込んできて、2足どころではなく今度は宇宙に行くのだなあと思って」
■「可能であれば、私が月に行きたいな」 米田さん意欲示す
【諏訪理さん】
「宇宙飛行士の方たちから、夢・希望・モチベーションをいただいてきた。そういう少年時代だったんですが、自分も同じようなことができればなと」
【米田あゆさん】
「子供たちが、友達感覚で気軽に聞きたいことを聞いて、私が分からなければ宿題にさせて、というような感じで、もっと身近に感じてもらえる、そういったきっかけになれる宇宙飛行士になりたいと思っています」
(Q.月面には下りたい?)「可能であれば、私が月に行きたいなと考えています」
合格した2人は今年4月にJAXAへ入社。夢の入り口に立った2人ですが、約2年間の訓練を経て、“月”を目指すことになります。
新しい日本人宇宙飛行士になる2人。
●史上最年長で合格。世界銀行で防災を専門にしている「諏訪理さん(46)」。
●現役最年少宇宙飛行士となる「米田あゆさん(28)」。京都で育って、神戸女学院を卒業しました。
今回応募の要件が大幅に緩和され、4000人を超える応募は過去最多だとのことです。
■米田さんのモットーは「その場を和ます」
関西出身の米田さんに注目します。
・京都市育ちで、神戸女学院中学部・高等学部を卒業。東京大学医学部医学科卒業され、現在は日本赤十字社医療センターで外科医師として働いています。
・宇宙飛行士を目指したきっかけは、幼少期に父親にもらった“女性宇宙飛行士・向井千秋さんの伝記マンガ”を読んだことだといいます。
・趣味は、学生時代にテニス・ヨット・ゴルフ・乗馬などをたしなみ、最近はトライアスロンにも挑戦。また、夜に散歩をして、月を眺めるという趣味もあるそうです。
・モットーは「その場を和ます」。
今回選ばれた2人は「アルテミス計画」に参加するとみられます。「アルテミス計画」はアポロ計画以来の月面着陸プロジェクトです。
▼アメリカのNASAを中心に20カ国が参加。
▼月の資源開発拠点や宇宙ステーション建設も予定。
▼月を拠点に火星探査も目指しています。
今回選ばれた2人が日本人として初めて月面着陸するかもしれません。約50年前「アポロ計画」で人間が月に着陸していますが、「アルテミス計画」はただ月面着陸するだけではありません。
関西テレビ・神崎報道デスクによると、「50年前は東西冷戦の中で、アメリカには「アポロ計画」があり、ソ連にも月に行く計画があった。国威を示すために、どっちが先に月に行くか、早さ競争をしていた。今回は資源開発など、月をどうやって利用していくか、さらに宇宙で人間がいかに活動できるかを研究していきたいということです」と話しました。
そんな月面に、関西で育った米田さんが立つかもしれません。活躍が期待されます。
(関西テレビ「報道ランナー」2023年2月28日放送)