「空飛ぶクルマ」運航事業者が決定 「夢の乗り物」実現に大きな一歩 “国産の空飛ぶクルマ”も選ばれる 2025年万博の空を飛ぶ日は近い? 2023年02月21日
次世代の移動手段として期待される「空飛ぶクルマ」。大阪・関西万博での実用化が目指され、目玉の一つと期待されていますが、21日、新たに参加する事業者が発表されました。ドローンなどの技術を応用し、開発が進む「夢の乗り物」の実現に向けて期待の声があがっています。
■「空飛ぶクルマ」運航事業者4グループ決定
【原佑輔記者リポート】
「こちらの会場では、大阪・関西万博の目玉となる“空飛ぶクルマ”に関する発表会が行われています」
21日、東京で発表されたのは“空飛ぶクルマ”の運航事業者。ANAホールディングスや日本航空、ベンチャー企業のスカイドライブなど4グループに決まりました。
【デモアナウンス】
「さあ離陸します。どうぞ空の旅をお楽しみください」「大阪・関西地域の絶景を、いま一度お楽しみください」
この「空飛ぶクルマ」は万博の開催期間中、会場と大阪市内、関西国際空港の3地点を結んでの運航を予定しています。
機体の開発は世界各地で進んでいて、今回、ANAホールディングスは共同運航事業者となるアメリカのベンチャー企業ジョビー・アビエーションの機体を使用します。また日本航空はドイツの企業が開発する機体を使用する予定で、この機体は来年にもフランスやシンガポールでの商用運航がスタートする予定です。
■今回選ばれた中には“国産の空飛ぶクルマ”も
そして注目されるのは“国産の空飛ぶクルマ”。トヨタ自動車の出身者たちが、研究開発を進めてきた「SkyDrive(スカイドライブ)」です。
【スカイドライブ 福澤知浩社長】
「“空飛ぶクルマ”っていうのは技術の進歩の上に成り立つんですけども、ようやくその技術の進歩的に、今ならできるんですね。やっぱり空を、環境に負荷がなくて、早く楽しく移動するって、どう考えてもみんなやりたいことなんですよ」
2021年には、万博に向け大阪府・大阪市と連携協定を結びましたが、実現にはまだまだハードルが。これまで人を乗せて行った実証実験では3メートルの高さを約4分間、「浮き上がった」のみ。実際のフライトとまではいきませんでした。
日本で初めて「屋外で人を乗せて飛んだ実験」として認定されたのは、国産ではなく中国の企業が開発した機体でした。
それでもスカイドライブは、今年度中には飛行距離を最長10キロに伸ばし、2028年度には、自動運転での実用化を目指すとしています。
■「皆さんが“空飛ぶクルマ”に乗れるような未来社会をぜひ実現したい」
2025年の万博での「空飛ぶクルマ」実用化に向けて吉村知事は
【大阪府 吉村洋文知事】
「非常に大きな第一歩だと思います。本日、事業者が決定されました。府民の皆さんが“空飛ぶクルマ”に乗れるような、そんな未来社会をぜひ実現したいと思います」
吉村知事は3月にも人を乗せた飛行実験を行うとしていて、空飛ぶクルマの開発競争がさらに加速しそうです。
(関西テレビ「報道ランナー」2023年2月21日放送)