子どもから大人まで、みんな大好きな「唐揚げ」
その年間消費量はなんと250億個以上!
積み上げると、地球と月の距離のおよそ2.6倍に相当するそうです。
【唐揚げを買いに来た客】
「皮がパリパリでおいしい。飽きないですね」
「おいしくて安くてすごく助かっています」
実は今、苦境にあえぐ飲食業界の中で唐揚げ専門店が絶好調!
【ジョニーのからあげ 販売促進マネージャー 佐倉敬司さん】
「持ち帰りの需要が多くなって(昨年同時期の)3割増しの店舗もあったりしますね」
店の数は8年前と比べ、なんと5倍以上に!
さらにコンビニや冷凍食品の唐揚げもどんどん進化。
スーパーも唐揚げブームに本気です!
今日はおいしく進化したイマドキから揚げを徹底解剖します!
【薄田ジュリアキャスター】
「兵庫県西宮市です。住宅街の一角に唐揚げ専門店が新しくオープンしました」
ことし3月にオープンし、リピーターも増えてきたというテイクアウト専門の「からあげあさひ」。
【からあげあさひ オーナー 南部京介さん】
「最初は1人で細々と始める予定だったんですけど、今ではスタッフ数名いないと回らない状況。嬉しい悲鳴が続いている」
人気を集めているのは、新鮮な国産鶏を特製のタレで漬け込み、米油で揚げた専門店ならではの体に優しい唐揚げです。
【薄田キャスター】
「うわあ!おいしい。衣がすごいカリッと軽くって、その中にしっかりお肉の旨みが閉じ込められていて、噛めば噛むほど肉汁が出てきておいしい」
【女性客】
「油モノはやっぱり家庭では大変。帰りが遅くなったときに買って帰れるのが便利」
「お昼ごはんに食べる時と3時のおやつで食べる時があります。新型コロナで外食がしにくくなってテイクアウトの方がありがたいですね」
唐揚げはコロナ時代の食卓の味方!お店にとってもメリットが!
【薄田キャスター】
「兵庫県尼崎市です。関西で初出店したから揚げ専門店。大手居酒屋チェーンのワタミが運営しているんです」
今年度中に100店舗の出店を目指すという、こちらのお店。
提供するのは、秘伝のタレに丸一日漬け込み、丁寧に2度揚げしたジューシーな唐揚げ。新業態として居酒屋にはない持ち帰りのニーズを狙います。
――Q:なぜ唐揚げの専門店にされたんでしょうか?
【から揚げの天才 阪急塚口南口店 店長 濱田龍一さん】
「居酒屋を37年やっておりまして、弊社が。その中で唐揚げが常に人気メニュー上位、そういう意味で支持が大きい商品」
一方で、全国でおよそ180店舗を展開する「鶏笑」は日本最大のから揚げチェーン。
大阪府内には7月、さらに2店舗を出店しました。
急増の背景には、こんなカラクリが…。
【鶏笑本部 部長 古川裕樹さん】
「一般的な飲食店に比べると比較的低投資でオープンできるというのが大きなメリットかなと。大体いまラーメン屋さんを一軒やろうとしても1000万円はかかると言われていますけどうちであれば平均600万から700万円で出店している」
食材も調理もシンプルな唐揚げは、設備も広さもスタッフも最小限でOK。
低コストで出店できると、新たにフランチャイズに加わるオーナーが増えているんだそうです。
【元居酒屋勤務のオーナー】
「以前の居酒屋ですとやることが非常に多くて、それに比べると非常にやりやすい」
【元キャバクラ店勤務の女性】
「素人からでも 出来るのはいいと思う。全く知識がなくてもなんとかなっているので」
おいしくてお手頃、店にとってもメリットが大きい唐揚げはまさに“いいとこドリ”!
そんな中…
進化を続ける唐揚げ 関西から味のトレンドも誕生!
日本唐揚協会の専務理事・八木宏一郎さん。
これまで全国4000店舗以上のから揚げを食べ歩き、その魅力を広めてきた伝道師です。ちなみに八木さんの長男は酉年のフライドチキンの日(11月21日)に生まれたそう。
案内されたのは、関西を中心におよそ30店舗を展開する「ジョニーのからあげ」
ここ数年のブームの火付け役なんだそうです。
【薄田キャスター】
「この骨付きが看板商品ですね」
【八木さん】
「看板商品のジョニーのからあげ。骨付きぶつ切りとなっています」
【薄田キャスター】
「うん、衣サックサクでお肉すごくジューシー。歯を入れるとジュワっと出てきますね。お肉の味がすごく濃い」
【八木さん】
「こうやって下味にしっかり漬け込んで薄い衣で揚げるのがジョニー流というか大分流」
今の主流は、下味しっかりの濃い味付けで、衣は薄く、大ぶりな大分スタイルです。
しかし最近は関西生まれの味も…
【八木さん】
「関西からだしをうまく使った味付けが全国に広がっていて、例えばこちらのあごだしを使った唐揚げも人気メニュー。いま東海地方、関東地方、東北地方までだし前線が上昇中なんです」
「何百円でこれだけものが。家で作れないですからね、こんなに手の込んだものって。幸せな時代になったなと」
そして、いま八木さんが注目しているのが…
【八木さん】
「スーパーの総菜もだいぶ進化していて、もう専門店できるんじゃないかというレベルのクオリティ」
お惣菜唐揚げの新時代!専門店も顔負けです!
最近、劇的な進化を遂げているというスーパーの唐揚げ。中でも…
【八木さん】
「(からあげグランプリで)2年連続で最高金賞を取っている平和堂の唐揚げ。これはもう審査員満場一致でダントツうまいと」
店では…
【薄田キャスター】
「先ほどから唐揚げコーナーにはひっきりなしにお客さんが来られてますね」
【唐揚げを買った女性】
「家族がみんなおいしいって食べるから、お手頃だし」
【フレンドマート深江橋店 デリカ主任 溝口和弥さん】
「他のお惣菜は2、3回しか作らないですけど唐揚げだけは1日6回ぐらいは作っていますね」
そんな看板商品を開発したのがこちらの石井雅樹さん。
お話を伺う前に自慢の唐揚げをいただきます!
【薄田キャスター】
「すごくジューシー。本当に肉汁がすごい、ひと噛みひと噛みあふれていきます。ショウガがすごくいいアクセント」
【平和堂 デリカ課 課長 石井雅樹さん】
「先味でインパクト、後味は次食べていただくためにスッキリと。高知県産の生のおろしショウガを使いまして風味がするようにしました。唐揚げはお惣菜コーナーの顔として一番よく売れている商品。お客さんに喜んでもらうために頑張って美味しくしようと」
石井さんが唐揚げの開発に着手したのは4年前。
ブームの発信地となった大分の有名店10店舗以上を食べ歩き、素材や味付け、調理法を研究したそうです。
――Qこれまで何種類くらいの唐揚げを作ってきたんですか?
【石井さん】
「もうかれこれ今のやつで8代目くらい。こだわればこだわるほどニンニクをいっぱい入れたりとかパンチを出そうという思いが強すぎてなかなか最初は全然売れなくて。毎日食べても飽きずに、お子様からおじいちゃんまで何個でも食べられる唐揚げを作らないとダメだなと」
試行錯誤を繰り返し、2年をかけてたどり着いた自慢の唐揚げ。
からあげグランプリで連覇を果たしたことで売り上げも2倍にアップしたそうです。
――Q今後この唐揚げを改良していこうという思いは?
【石井さん】
「唐揚げの味づくりにゴールはない。2年連続に満足せず、来年に向けて日々唐揚げを探しに歩いています」