原作

ORIGINAL

INFORMA インフォーマ 沖田臥竜
「インフォーマ」沖田臥竜 著(サイゾー文芸部 刊)
週刊誌記者、三島寛治の日常はひとりの男によって一変させられる。その男の名は木原慶次郎。
クセのあるヤクザではあったが、木原が口にした事柄が次々と現実になる。木原の奔放な言動に反発を覚えながらも、その情報力に魅了された三島は木原と行動をともにするようになる。そして、殺人も厭わない冷酷な集団と対峙することに……。
社会の表から裏まで各種情報を網羅し、それを自在に操ることで実体社会を意のままに動かす謎の集団「インフォーマ」とはいったい何者なのか!?
原作者コメント
世の中に情報屋という職業は存在しない。それだけでメシを食べているという意味においてだ。
だが誰しもが大抵、情報屋という言葉を聞いたことがあって、情報屋と耳にすればどこか胡散臭く、どこか闇に潜んでコソコソと生息しているようなイメージを持つのではないだろうか。

そうした概念をぶち壊すところから、私の書く作業は始まった。

主人公は情報屋を生業にしているくせに、厚かまし過ぎるほど堂々と生きている。
ソーシャルメディアが錯乱し、コンプライアンスが叫ばれ、随分と窮屈な世の中になってきたが、それでも己の我を通して、堂々と世の中の中心で存在している。

いや、自らの手で世間のど真ん中で立ち続けているのだ。
そして触れる者みな、気がついたときには情報屋。インフォーマに染めてしまうのである。
それも本人すらも気づかないうちにだ。

情報屋を題材に現実的リアルを取り入れながら書いていくと決まったとき、ださいタイトルだけはさけたかった。
それで辿りついたのが「インフォーマ」というタイトルである。

登場人物ひとりひとりの名前には、思い入れがあって、言葉ひとことひとことに個性をこめて書いていくわけだが、私がそうして考えたセリフを俳優部のキャストの人たちが声に出し、聞かせてくれるのである。
地味な仕事の書き手にとって、これほどの晴れ舞台はあるだろうか。

熱い夏だった。2022年夏、インフォーマの撮影現場は熱い夏だった。
私はその日本で一番熱い夏の中にいた。何年経ってもこの夏を忘れることはないだろう。

スタッフ、キャスト、携わってくれた全ての人たちのお陰でインフォーマという作品を作り上げることができた。

世の中には、誰もが知らない世界が確かに存在している。
ドラマ、そして小説を通して、その一端を感じていただければ幸いです。

そして、インフォーマはまた私の地元、尼崎から始まるのであった。

以上