2026年1月 社長会見概要

2026年1月23日(金)

代表取締役社長・岡宏幸

代表取締役社長・岡宏幸
はじめに
この一年間は当社も系列も本当に慌ただしい一年だった。新体制になり半年が経ったが役員も社員も、厳しい状況の中で本当に頑張ってきた半年だったと実感している。
昨年は何と言っても大阪・関西万博に尽きる一年だった。当社もメディアとして、開幕前から閉幕まで様々な情報を届けた。その基地となった、バーチャルとリアルが融合した「カンテレ未来スタジオ」を本社会議室に移設し、「EVAスタ」と命名して新たな技術開発の場としている。
2代目AIハチエモンについて。昨年のハチエモンデビュー30年にあわせて進化。開局60周年の2018年に出来上がった初号機の本体をそのまま使用している。初号機製作の際に収録した1300本余りの音声データを、最新のAI技術を活用することで自然な会話ができるハチエモンに進化させた。もうちょっと賢くなったら私の執務室にでも置いて、いろいろな相談をしたいなと思っている。
代表取締役社長・岡宏幸、AIハチエモン
経営状況について
中間決算ではフジテレビの事案による大きな影響を受け、放送収入が大きく落ち込んだ。動画配信、その他コンテンツ事業等は順調に拡大し、費用の執行も非常に抑制的・効率的だったが放送収入の減収を補うには至らず、中間純損失を計上。しかし投資のための費用は削らずに策定した今年度予算なので、ある意味想定通りで上期を折り返したと思っている。下期に入り10月以降、各月の業績は単月黒字が続いている。経常黒字を目指して全社一丸となって取り組んでいる。
視聴率について
2025年の年間視聴率は、コアターゲットはオール2位で順位は前年と変わらず。しかし全日帯は1位との差が僅差になっている。個人全体の全日帯も2位。非常に良い状況と思っている。ここ数年、コアでも個人でもゴールデンでもプライムでも全日でもいいので冠を取ることを目標にして頑張っている。
視聴率については特に自社制作番組が貢献をしてくれている。平日午前帯で引き続き好調の『よ~いドン!』、午後帯も『旬感LIVE とれたてっ!』が『ぽかぽか』からの良い流れを作り夕方の『NEWSランナー』も独自取材で存在感を高めている。火曜日ゴールデンの『ちゃちゃ入れマンデー』『やすとも・友近のキメツケ!』といったローカルのバラエティは非常に強い数字を出している。
『旬感LIVE とれたてっ!』の関東地区での放送時間拡大について
現在「とれたてっ!」の後半、2部のみを関東地区で放送しているが、2月25日から第1部も放送することになった。つまり関東でも2時間丸々放送されることが決まった。より多くの視聴者に見てもらえる大きなチャンス。番組制作に当たっては、キー局のフジテレビの協力もいただけると聞いているので、中身をパワーアップさせて、先行する裏番組の「ミヤネ屋」や「ゴゴスマ」に追いつき追い越すような番組にしたいと思っている。
ドラマ・アニメについて
月曜22時の今クールは『夫に間違いありません』を放送中。これからストーリーの中身が動いていくので数字を期待したい。月曜22時枠は4月以降も相当力の入ったラインナップで臨むつもりなので、是非とも期待していただきたい。
火曜日23時は、この1月からアニメ枠にチャレンジをしている。この枠から、世界中で見てもらえるようなアニメを発信していきたい。枠タイトルは「火アニバル!!」、是非ともよろしくお願いします。
『R-1グランプリ』『千原ジュニアの座王』
『R-1グランプリ』は現在予選が行われている。準々決勝には昨年のM-1グランプリで準優勝した「ドンデコルテ」の渡辺銀次さん、今年の座王の新春スペシャルで優勝したルシファー吉岡さんなどの実力派に加え、『ドっとコネクト』でMCを務めていただいている石井亮次さんも進出している。様々なジャンルからピン芸人日本一を目指した熱い戦いが繰り広げられている。
『千原ジュニアの座王』については、今年11月に大阪城ホール、それから来年の3月には東京・武道館でライブを開催。番組だけではなく、番組から飛び出してライブエンタメとしてもお楽しみいただける形になってきたなと思う。盛り上げていけるように、PR等々頑張っていきたい。
映画事業について
映画事業については昨年は2本、好評を博した映画があった。一つは9月に公開した『揺さぶられる正義』。もう一つは11月公開の『ナイトフラワー』。
『揺さぶられる正義』については、テレビドキュメンタリーとして数々の賞をいただいたが、映画では“マスコミ報道のあり方”についての視点を加え、より深い意味を持つ作品になった。
『ナイトフラワー』は内田英二監督の演出力と、キャスト陣の演技が高く評価されていて、日本アカデミー賞でも4部門での優秀賞と、新人俳優賞を受賞した。優秀賞となった4部門については3月の表彰式で最優秀賞が決まるので吉報を待ちたい。海外でも上映が始まっていて韓国で1月8日から、台湾では2月6日に公開が決まっている。
まとめ
新年を迎えて各所でご挨拶をするときに「昨年は大変な一年でした」という言葉が枕詞のようになってしまっていて、それを言い過ぎたと新年早々から反省した。まだまだ逆風下ではあることは間違いないが、社員・役員ともに知恵を結集して、なんとかこの一年乗り越えるため前向きに頑張っていきたい。

質疑応答①

社長就任から半年、ここまでを振り返り所感を
昨年6月の就任時に、二つやりたいことがあると話した。一つ目は信頼回復。そして当時の状況を不安に思っていた社員が安心して働ける会社にするためのガバナンスの徹底・コンプライアンスの強化をすると話した。二つ目は事業ポートフォリオの再構築。放送収入にずっと頼ってきたビジネスモデル・事業構造から一歩踏み出して事業ポートフォリオを変えていく、新たな事業構造にしていく「第二の創業」に取り組むと話した。
一つ目のガバナンスの徹底とコンプライアンスの強化については、組織体制の強化に始まり、元々あった「ハラスメント防止宣言」の再策定や、社内調査やハラスメント研修の実施、コンプライアンス責任者に対する研修等を進めている。新たに社内規程類の見直しにも取り組み始めている。より実効性を持てるような仕組みにするため、全体のその仕組みを変える作業に着手をしている。
二つ目の「第二の創業」については今、来年度からの中期経営計画を策定している。『RE:START カンテレ!』とのスローガンを掲げて、役員と局長とで議論を重ねている。年始に社員・スタッフには話したが、これからはグループ会社を含めて「カンテレグループ」であるということを強く意識して、当社の強みであるクリエイティビティを発揮していく。これまでのテレビ局の常識を超えた価値を作る挑戦をしていくような内容にしたいと思っている。中期経営計画は完成したら披露できる機会があると思う。

質疑応答②

フジテレビに関する一連の問題から約一年。例えばCM収入の回復状況やスポンサー企業からの信頼回復についての取り組みや現状については
昨年10月15日に「ハラスメント防止宣言2025」を発表した。会食についても「会食・接待ガイドライン」を策定した。社内研修も進めているし全体の体制構築も現在やり直している。少しでも社員・スタッフが安心して働ける会社になるよう、引き続きアップデートしていく。
CM収入については、一連の問題によって放送収入が大きく影響を受けた。上期はネットタイム・ローカルタイムともに、多くの提供社が脱落した。ネットタイムは前年70%まで落ち込み、スポット収入も当初の4月には前年70%台まで落ち込んで非常に厳しい25年度のスタートだった。しかしフジテレビの回復状況と比べると、当社は地元のスポンサーを中心に徐々に戻ってきていただいていると感じている。昨年9月にはスポットは90%ぐらいまで回復したと思っている。各社へのご挨拶の際、スポンサーにはお礼を伝えている。フジテレビの事案等があり、大きく業績には響きながらも、出稿し続けてくださったスポンサーが4月の段階で70%はいてくださったということ。そうしたスポンサーの皆さんに支えていただき、本当に感謝をしている。
下期に入ってタイム・スポットともにもう一段の回復を見せている。各月の業績は黒字で続いている。ローカルタイム・スポットに関しては、それぞれ90%台後半まで回復していて少しずつ影響が小さくなっている実感がある。ネットタイムも前年の90%を超えてきている。

質疑応答③

『旬感LIVE とれたてっ!』が、この秋から全国区での放送となった。関東では放送時間を拡大するとのことだが、実際の放送内容や視聴率を鑑みて、現状の状況や受け止めは?
関西地区での視聴率は、4月以降毎月前年を超える数字になっている。前番組の『ぽかぽか』も良くなってきているというのもあるが、着実に視聴いただいている方が増えていると思っている。裏局で強い『ミヤネ屋』や『ゴゴスマ』と比べると、若い層を含めた幅広い層の視聴率が取れていると思っている。非常に良い傾向だと捉えている。
フジテレビには去年10月から第二部を放送いただいているが、ことし4月を待たず第一部も放送していただけるということで、内容強化をしていきたいと思っている。いま、『とれたてっ!』を(カンテレを含み)19局が放送している状況。全国に少しずつ戦う場を広げていっている実感がある。『とれたてっ!』は私が編成にいるときから「この時間帯にこういった生の情報番組をやりたい」とずっと思っていた番組で、その思いを受け継いで次の担当者が進め、今もなおその歩みを止めず進めていただいている。我が子が育つのを見るような楽しみがある番組だと思っている。楽しみだけではなく、本当に役立つコンテンツ・番組になるように全員で育てていきたいと思っている。