2024年日本民間放送連盟賞で関西テレビの4番組が受賞!
2024年9月19日(木)
2024年日本民間放送連盟賞で、関西テレビの4番組が受賞しました。弊社が番組部門で4番組同時受賞するのは初めてです。表彰式は11月6日(水)に行われます。
番組部門 テレビドラマ:最優秀賞
『春になったら』
弊社の、同部門の最優秀賞受賞は、昨年の『エルピスー希望、あるいは災いー』に続き2年連続です。
3カ月後に結婚する娘×3カ月後にこの世を去る父。母を亡くし、反発しながらも支え合ってきた父娘が、「結婚までにやりたいことリスト」と「死ぬまでにやりたいことリスト」を実現していくかけがえのない3カ月間を描いた、笑って泣けるハートフル・ホームドラマ。
審査講評
3カ月後に結婚する娘」と「3カ月後に病で世を去る父」を1クール=3カ月という連続ドラマの特性を活かし、リアルタイムで見せるホームドラマ。物語は2024年の元旦、3カ月後の結婚と、3カ月の余命を娘と父がそれぞれ同時に発表することから展開していく。互いの幸せを願うからこその衝突などを軽やかに描きながら、春になれば訪れる、父娘の“はじまりと終わり”を題材とした。見事な脚本、丁寧な演出、そして俳優陣のナチュラルな演技などによって、死を単に悲しいものとして捉えるのではなく、生命のサイクルとして清々しく描いている。笑いあり、涙ありの温かく豊かなドラマであり、人生の機微や日常の尊さを見いだすことのできる血の通った番組として高い評価を受けた。
岡光寛子プロデューサー(制作局 東京制作部)のコメント
昨今様々なエンタメコンテンツがあるなか、テレビドラマの価値を信じ、家族という普遍的なテーマを1クール<3カ月>という時間で描いた作品です。ただ消費されるのではなく、視聴者と共に生きたいと願って制作した、決して派手さはない「日常」の機微を切り取ったオリジナルのホームドラマがこのような評価をいただけたこと、大変嬉しく、今後のドラマ制作の希望になりました。奈緒さん、木梨憲武さんをはじめとする誠実で愛情たっぷりのキャスト、熱意を持って共に戦ってきた信頼するスタッフ、そして「春になったら」をここまで連れてきてくださった視聴者の皆さまに、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
放送日
2024年1月15日~3月25日 毎週月曜22:00~22:54
(1月15日は22:00~23:09)
(1月15日は22:00~23:09)
出演者
奈緒 木梨憲武 深澤辰哉 見上愛・光石研 筒井真理子・小林聡美 濱田岳 他
スタッフ
<脚本> 福田靖 <音楽プロデューサー> 福島節
<監督> 松本佳奈 穐山茉由 稲留武
<プロデューサー> 岡光寛子(カンテレ) 白石裕菜(ホリプロ)
<監督> 松本佳奈 穐山茉由 稲留武
<プロデューサー> 岡光寛子(カンテレ) 白石裕菜(ホリプロ)
制作協力
ホリプロ
制作著作
カンテレ
*配信情報:カンテレドーガ、FOD、Netflixで全話配信中。
*Blu-ray&DVD 発売中 発売元:カンテレ 販売元:TCエンタテインメント
*Blu-ray&DVD 発売中 発売元:カンテレ 販売元:TCエンタテインメント
番組部門 テレビバラエティ:優秀賞
『知らないのは主役だけ』
「ドラマ」と「ドッキリ(ドキュメンタリー)」の要素を掛け合わせた、まったく新しいエンターテインメント。脚本通りに展開する世界に、何も知らずに放り込まれた主役が発する言葉や行動は、脚本では描けない、まさに「リアル」。それは、演技を超えた「究極のリアクション」。フィクションなのか、リアルなのか。その狭間をシームレスに行き来しながら進む物語は、誰も予想がつかない大きなクライマックスへと突き進む。主役だけが何も知らないまま撮影を敢行して作り上げた、誰も先が読めない新感覚ドラマ。
審査講評
“何も知らない主役”の日常を2カ月間隠しカメラで撮影して紡ぐリアルとフィクションが混在した新感覚ドラマ。今回、知らないうちに主役に抜擢されたのは、お笑い芸人の錦鯉・長谷川。先が読めない、演技を超えた究極のリアリティショーとなっていく。ドッキリとドラマの融合というコンセプトが斬新で、今までになかった画期的なバラエティ。キャスティングもハマっており、コンビ愛をテーマに笑いと感動に包まれる。
近藤匡プロデューサー(制作局 東京制作部)のコメント
もしも今、自分の周りに広がる何気ない日常が、すべて脚本通りの世界だったら…。そんな突拍子もない酒井ディレクターの発想から生まれた番組です。それなら、「ドラマ」と「ドッキリ」を掛け合わせて、見ている人すらも「これはどっちなの?」と混乱させる映像を作ろうと始まりました。カメラ91台、撮影期間2カ月。隠しカメラが捉えるドキュメンタリーのような主役の日常と、カット割りされた別撮りのドラマカットを融合させた、まさにスタッフの血と汗が滲む映像です。何も知らずに2カ月間隠し撮りをされていた錦鯉・長谷川さん、全てを知って2カ月間も脚本の中の登場人物を演じてくれた錦鯉・渡辺さん、そして、このとんでもない企画に賛同し出演してくださった全てのキャストの皆さま、この突拍子もない企画を面白がって関わってくださった撮影スタッフと美術スタッフの皆さま、全ての皆さまに感謝しています。そんなキャストとスタッフみんなの全身全霊をかけた番組が評価されたこと、本当に嬉しく思っています。これからも遊び心でパンパンに膨らんだ番組を作り続けたいと思います。
放送日
2023年10月9日 月曜22:30~23:24(全国ネット)
出演者
<MC> くっきー!(野性爆弾) 又吉直樹(ピース)
<ゲスト> 佐藤二朗
<ドラマ出演> 錦鯉、田中俊介、とみやまあゆみ、町田悠宇、金暁明、田野倉雄太、 畦田ひとみ、ハリウッドザコシショウ、小峠英二、SAKURAI、松尾諭 他
<ゲスト> 佐藤二朗
<ドラマ出演> 錦鯉、田中俊介、とみやまあゆみ、町田悠宇、金暁明、田野倉雄太、 畦田ひとみ、ハリウッドザコシショウ、小峠英二、SAKURAI、松尾諭 他
スタッフ
<脚本> 金沢知樹 <構成> 武輪真人 くらやん
<演出> 酒井椋平(カンテレ) <AD> 竹内雄治(カンテレ)
<プロデューサー> 近藤匡(カンテレ)
<演出> 酒井椋平(カンテレ) <AD> 竹内雄治(カンテレ)
<プロデューサー> 近藤匡(カンテレ)
制作著作
カンテレ
*配信情報:TVer(2025/03/31まで) / Netflix(2025/6/30まで 予定)
番組部門 テレビ報道:優秀賞
『ザ・ドキュメント 引き裂かれる家族 検証・揺さぶられっ子症候群』
写真家の赤阪友昭さん。2017年11月、家族4人の平穏な暮らしが一変する。赤阪さんが自宅で生後2カ月の長男・優雨くんをあやしていた時、優雨くんの呼吸が止まっているような状態に。病院の検査で硬膜下血腫や眼底出血が見つかり、下された診断は「揺さぶられっ子症候群」だった。赤阪さんは身に覚えのない虐待を疑われ、優雨くんは児童相談所に一時保護される。そして、2018年10月、赤阪さんは逮捕・起訴された。児童相談所は赤阪さんと優雨くんの同居を制限し続け、赤阪さんは家族と引き裂かれたままの生活を余儀なくされる。2020年4月、長女の卒園式の日を迎えその場に限って赤阪さん家族が集まることが許される。それは、一年半ぶりの家族再会だった。
審査講評
乳児が激しく揺さぶられることで硬膜下血腫などを引き起こす「揺さぶられっ子症候群」(SBS)。2010年代に入り、大阪を中心にSBS事件での逮捕・起訴が急増していた。生後間もない長男を激しく揺さぶって虐待したと疑われた父親とその家族を5年半にわたって取材している。冤罪によって引き裂かれた家族の苦しみがよく描かれている。現状を伝えることで将来における同様の被害を防ぎたいという制作意図も明確で完成度が高い。
上田大輔ディレクター(報道情報局 報道センター)のコメント
虐待冤罪を生む構造はまだ残っていると感じています。今回の受賞を励みにして、さらに取材を続けていきたいと思います。
放送日
2023年7月7日(金)25:25~26:40
ナレーション
豊田康雄(カンテレアナウンサー)
スタッフ
<ディレクター> 上田大輔 <撮影> 平田周次 <編集> 室山健司
<プロデューサー> 萩原守 宮田輝美
<プロデューサー> 萩原守 宮田輝美
制作著作
カンテレ
*YouTube(カンテレNEWS)で配信中
特別表彰部門 放送と公共性:最優秀賞
『14年にわたる関西地区のハンセン病問題報道』
同部門での弊社番組の最優秀賞受賞は2020年『検証・揺さぶられっ子症候群』に続き2度目です。
国の誤った強制隔離政策などにより、ハンセン病の元患者や家族は厳しい差別・偏見にさらされてきた。関西には多くの元患者が生活しているが、過去を隠し家族と断絶している場合が多く、『見えにくい問題』となっている。関西テレビは2010年から、元患者や家族、支援者などの取材を継続して行ってきた。2019年には、家族にも差別が及んだ国の責任を認める判決が確定し、補償制度が創設された。
これを機に約60年ぶりに再会した兄弟を取材。家族関係の回復はまだ間に合うという希望が見えたが、このようなケースは稀で、補償の申請も増えていないのが現状だ。何が阻んでいるのか…今後も取材を継続する。
これを機に約60年ぶりに再会した兄弟を取材。家族関係の回復はまだ間に合うという希望が見えたが、このようなケースは稀で、補償の申請も増えていないのが現状だ。何が阻んでいるのか…今後も取材を継続する。
審査講評
関西テレビ放送は、ハンセン病問題を2010年から継続して取材し、隔離政策に翻弄されたハンセン病元患者とその家族への取材を通じ、隠さなければならない社会を変えるため、報道を続けている。
先輩から志を受け継いで取材を続ける記者が、ハンセン病元患者の心や人生に寄り添い、試行錯誤しながらも取材対象者に正面から向き合う姿勢に、他人事で終わらせないという取材者の意思が感じられた。集団訴訟を経て表面的には問題が解決した後も、長らく家族との関係を断っていた元患者のリアリティを追い続け、問題は続いていることに焦点をあてた報道が評価された。
先輩から志を受け継いで取材を続ける記者が、ハンセン病元患者の心や人生に寄り添い、試行錯誤しながらも取材対象者に正面から向き合う姿勢に、他人事で終わらせないという取材者の意思が感じられた。集団訴訟を経て表面的には問題が解決した後も、長らく家族との関係を断っていた元患者のリアリティを追い続け、問題は続いていることに焦点をあてた報道が評価された。
押川真理 記者(報道情報局 報道センター)のコメント
「ハンセン病問題は今も続いている」 柴谷記者が長年、本中カメラマンと続けてきた取材に自分が加わり痛感したことです。“過去を隠さなければならない”“法律が変わっても家族と会えない”この悲しさと理不尽さに触れた一人として、責任をもって取材を続けていきたいと思います。元患者の方とご家族が、気兼ねなく会える社会になることを、心から願っています。
放送
『newsランナーなどでの特集企画』、
ザ・ドキュメント『望郷の島から~ハンセン病と家族の絆』(2010年10月)、
ザ・ドキュメント『人生被害~あるハンセン病家族の歳月~』(2019年11月)など
ザ・ドキュメント『望郷の島から~ハンセン病と家族の絆』(2010年10月)、
ザ・ドキュメント『人生被害~あるハンセン病家族の歳月~』(2019年11月)など
スタッフ
<ディレクター> 押川真理 柴谷真理子 <撮影>本中貴久
<編集>宮村泰弘 樋口真喜
<編集>宮村泰弘 樋口真喜
日本民間放送連盟賞とは
質の高い番組がより多く制作・放送されることを促すとともに、CM制作や技術開発の質的向上と、放送による社会貢献活動等のより一層の発展を図ることを目的に、日本民間放送連盟(民放連)が1953(昭和28)年に創設しました。