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18時台の特集/バックナンバー

2016年10月25日

2025年万博開催は大阪?パリ?

大阪府が2025年の開催をめざし、誘致活動を続けている、万博。

国や地元の経済界も前向きな姿勢を示すなど、機運は高まってきています。

そして、ライバルとなりそうなのが、フランスのパリ。

近々立候補する意向を示しています。それぞれの現状と、課題とは?

 

【大阪府・松井知事】

「日本の成長をけん引する仕掛けが、2025年の国際博覧会、大阪開催です」

 

大阪府の松井知事が先月から開かれている議会で改めて宣言した、2025年の万博誘致。

「人類の健康・長寿への挑戦」をテーマに、製薬企業や医療関連の研究所が集まる関西で、中小企業が得意とする最先端の技術を国際的にアピールし…高齢化問題といった、世界的な課題の解決に貢献したいと考えています。

 

 

会場は大阪市の夢洲地区を指定。

建設費用について、2005年の愛知万博と同程度の1200億円程度と試算し、この負担を、国と大阪府・市、そして経済界で3等分する方針です。

 

また、会場へのアクセスとしての地下鉄中央線の延伸といった関連事業費用にはおよそ640億円が必要だとしています。

 

誘致に向け、積極的に閣僚に協力を求めてきた松井知事。

その甲斐もあってか・・・

 

【安倍首相】

「大阪府がこの秋にも策定する予定の基本構想の内容をよく伺いしっかりと検討を進めてまいります」

【菅官房長官】

「大阪のため日本のためにはこの誘致というのは一つの起爆剤になるだろうと」

 

…と、国も後押しする姿勢を見せ始めました。

 

費用負担をせまられることで最初は難色を示していた関西の経済団体も賛成を表明し、確かに誘致の機運は高まりつつある、のですが…

 

【街の人は】

「(大阪に)来てみたいです。面白そう」

「要るのかな?なくてもいいと思います」

 

歓迎・反対、様々な声がある一方、大阪が誘致活動をしているか聞いてみても…0

 

「知らないですね。(どちらの方?)滋賀県…」

「万博?万博?知らない」

「万博って、まだ何をするのかわからない」

 

…まず、関心を持ってもらうことが、課題のようです。

そんな中、誘致における「強敵」とみられているのが、フランス・パリです。

 

【特派員レポート】

「過去6回の万博を開催したこちらパリですが、このエッフェル塔も実は、万博のために作られました今ここパリは、88年ぶりの開催を目指して動き始めています」

 

パリで最初に万博が開催されたのは、1855年。

世界各国が集う博覧会に「万国博覧会」と名付けられたのも、この時が初めてでした。

 

フランスの調査機関によると、フランス国民の81%が万博誘致に賛成。

関心の高さも伺えます。

 

BIE(ビー・アイ・イー)、博覧会国際事務局も置かれているパリはいわば、「万博の本場」。

BIEとの関係作りに「地の利」を活かせるパリが強力なライバルとなることは、間違いありません。

 

そんなBIEのフランス代表、アラン・ベルジェさん。

誘致だけでなく、ミラノ万博でのパビリオンを監督するなど、フランスにおける万博関連の、総責任者を務めています。

 

【BIEフランス代表・アラン・ベルジェさん】

「とても自信あります。とても」

 

 

アランさんは、パリの正式な立候補は「11月中」と話します。

 

【アランさん】

「現在はフランス大統領が立候補の申請書をBIEに提出する段階まできています。おそらく来月23日の通常国会より前に申請し、国会で何らかの報告が行われるものと考えられます」

 

パリが誘致活動を始めたのは、4年前。

松井知事が意欲を明らかにしたおととしよりも2年早く、また、行政の「動き出し」に対する民間の「反応」も、違いました。

 

【アランさん】

「ニュイイ市長、兼、国会議員であるフロマンタン氏が非営利団体を立ち上げ、大中小の企業に協力を呼びかけました。複数の国際的企業がすぐさま参加を表明しましたし、大学機関や文化・科学の分野においても協力が得られました。民間企業の参画は必須です」

 

誘致活動の計画当初から、経済界と一丸となっていたパリ。

それに対し関西の経済界が正式に協力を表明したのは2016年10月!ここまで、2年がかかっています。

 

また、経済界には会場の建設費用の3分の1にあたるおよそ400億円を負担してもらう皮算用ですが、その方法が決まっていません。

 

【松井知事】

「スポンサー方式というか、広報宣伝、企業の広報宣伝ができるような形というものを、今の検討会の委員の皆さんでお考えいただけるものと思っています」

 

のんびりムードの大阪が「伝統のパリ」と戦えるのか?

11年前の万博開催に携わった、元愛知県副知事、長谷川信義(はせがわ・のぶよし)さんは「先手を打つことが何よりも大事」と話します。

 

【長谷川信義 元愛知県副知事】

「一刻も早く手を挙げる。年2回、BIEに近況報告。『進んどるな、これはもう手遅れかな』と(ライバル国に)思わせる」

 

2005年に愛知県で行われた、「愛・地球博」。「自然の叡智(えいち)」がテーマでした。

来場者の数は尻上がりに調子を伸ばし、2200万人を突破。

最終的には140億円の黒字となりました!

 

 

メイン会場のあった愛知県長久手町(現・長久手市)では2005年度の経済成長率が29%を超えるなど、大きな経済波及効果も。

 

長谷川さんは誘致を実現させるため、世界各国や大使館に何度も足を運んだと言います。

 

【長谷川さん】

「経済支援的なものとか、見返りも期待される。印象的なのは東欧の国で『うちは電力事情が非常に悪くて、(愛知に票を入れるので)支援してもらえんか』とか。純粋な博覧会だけの話、向こうはそんな事思ってくれませんので」

 

難しい各国との交渉…頼れる存在だったのが、『世界のトヨタ』でした。

金銭面に加え、世界各国とのパイプも活かすなど、全面的に支援しました。

 

【長谷川さん】

「トヨタがベルギー工場をつくるとね、時のベルギーの首相が工場の開所式に来るんですよ」

「そういう深いつながりがあるんですよ。非常にグローバルにトヨタは見ていますから、商社じゃできないね」

 

愛知県全体が一枚岩となり、つかみ取った、万博誘致。

 

【松井知事】

「今は大阪が一つになって、万博を勝ち取ろうと。そういう機運の醸成が一番大事なわけです」

 

「ひとつの方向」…にはまだ隔たりがありそうな、大阪。

リードしているようにも見えるパリとの戦いは、始まったばかり…なのでしょうか?

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