2月26日(日)

ご意見ピックアップ

関西テレビに寄せられた視聴者の皆様からのご意見・お問い合わせを紹介し回答する「ご意見ピックアップ」のコーナー。今回は「『○○対策』の使い方が間違っている」と「災害が題材の作品の表彰に『おめでとう』はいかがなものか」の二つにお答えします。

『カンテレ通信』では皆様からのご意見をお待ちしております。番組でご意見が採用された方には、月曜よる10時放送のドラマ『罠の戦争』の特製グッズを差し上げます。

報道ランナー』 (メール/30代/男性)

  • 報道ランナーで「防寒対策」という言葉を使っていました。また、この番組でも他の番組でも「新型コロナ感染防止対策」などと言っていることが多々あります。しかし、「○○対策」という場合、『○○という問題に対する策』という意味ですので、番組出演者が言いたい内容と逆の意味になっています。改善してください。

  • アナウンス部の回答

    「○○対策」という言葉については、ご指摘いただいたように使い方についての意見が分かれていて、過去に何度かフジテレビ系列の用語会議でも話し合われています。今回のケースで言えば、「防寒対策」という表現を「防寒のための対策」などに言い換えたほうが、わかりやすいという意見がある一方で、「防寒面の対策」「防寒に関する対策」という意味を持つ複合名詞と解釈すればこのままで問題ない、という意見もありました。時代とともに変化する言葉の用い方については、今後も慎重に研究を重ねていき、少しでもわかりやすい放送になるよう努めてまいります。

  • コメンテーターから

    佐藤卓己さん
    私は、言葉は変化するものだと思っているので、あまり違和感が無いです。確かに対策という言葉そのものが、かつてはagainst(アゲンスト・~に対抗して)の意味で使われていたとしても、いまではむしろfor(フォー・~のために)の意味で使うことがしばしばありますね。だから、かつての意味に忠実であれば「合格対策」と言うのは変で、「不合格対策」と受験シーズンには言わないといけないんだけど…、というようなことを、いろいろ考えながら、このご意見を聞いていましたね。

    わかぎゑふさん
    そうですね。なんか「防寒対策」って、すでに天気予報の用語化しているから、あんまり私も気になりませんでしたし、日本語っていうか、言葉自体はどんどん変化していくものだと思うので、これが流れなのかなって思いましたね。

    林アナウンサー
    今回の言葉は、FNS(フジテレビ系列局)の用語の会議でも、これまでたびたび話し合われている議題でもあるんです。議事録を見ていくと、かつては「絶対にそんなものはだめだ、容認しない」という声が多かったのですが、最近の議事録を見ると、私もその会議には参加しているんですけど、「それはもう浸透もしているし、複合名詞として考えたらいいのではないか」という、「容認する声」が強くなってきているのも事実で、改めてこういうご意見をいただくと、言葉というのは時代とともに本当に変化するもので、慎重に取り扱っていかなければいけないなと思いました。

『カンテレ通信』 (メール/男性/50代)

  • ドキュメンタリーの祭典で、静岡の土石流の取材がグランプリを受賞しましたが、なぜ「おめでとう」なのですか?確かに、ニュースは必要ですが、不幸な出来事を題材にしたものに対して受賞シーンを大々的に放送するのはいかがなものですか?

  • 法務・コンプライアンス部の回答

    「おめでとうございます」という言葉は映像祭の授賞式会場で、グランプリに選ばれた方に向けて司会者が発した言葉です。今回のグランプリに選ばれた作品は、亡くなった方を含む多くの被害者が出た災害を扱ったものであり、ご指摘の通り、その題材自体は悲しむべき不幸な出来事です。しかし、この言葉は、番組制作者が被災地に何度も足を運んで悲痛な遺族の声をすくい上げ、災害が起きた理由などを粘り強い取材で解き明かしたことに対する敬意の言葉ですので、カットせずにそのまま放送しました。一方で不愉快に感じたとの感想については、制作者として想像できていませんでしたので、これからの番組作りの参考にしたいと思います。

  • コメンテーターから

    わかぎゑふさん
    回答の中の「敬意の言葉」ということが、すべてだと思うので、それでいいとは私は思いました。ただ、子どもの頃に戦争映画とかを見ていて、例えばアカデミー賞なんかを取ったりすると、みんながそれですごく喜んでいたりする映像と、その映画の内容が、あまりにもちぐはぐな感じが、ギャップがあって、ちょっと(心が)ざわざわしたのが、この方の意見で思い出されました。やっぱり悲劇を扱う作品を作る側にいる場合は、気をつけなきゃいけないことなんだなと、改めて思いました。

    佐藤卓己さん
    難しい問題ですね。これ、おそらくご意見の方が言われているのは、単に授賞式のお祝いの言葉ということ以上に、もっと哲学的な、「他人の死」というものを、どう眼差すべきなのかという議論だろうと思います。そうすると、安易に「他人の死」にただ涙するというのが本当に正しいことなのか。あるいは「死」というものをどのように映像として扱うべきなのかということを、真剣に考えていく一つのきっかけになればと思いますね。

カンテレEYE

関西テレビの番組などを題材に、メディアは、どのようにメッセージを発信しているのか、視聴者は、それらをどう読み解き、付き合っていくべきなのかについての情報を提供する「カンテレEYE」のコーナー。今回は、関西テレビの重要な財産である映像素材を管理する知財推進部の業務を取り上げます。知財推進部が管理するテープ倉庫に眠る過去のお宝映像を再び放送し、楽しんでいただく番組「目利きのアーカイブ」が、ことし1月に放送されました。この番組の制作に至る過程や狙い、資料管理の意義などについて紹介します。
「目利きのアーカイブ」セットは倉庫のイメージ
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ニュースでは撮影したフィルムを素早く現像していた
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ゲストは知財推進部・井村慎介
ゲストは知財推進部・井村慎介

インフォメーション

次回予告

  • 『カンテレ通信』は皆様のご意見をお待ちしています。

    次回の『カンテレ通信』は、2023年3月19日(日)あさ6時30分放送です。