
3月8日、皐月賞トライアルの第63回報知杯弥生賞ディープインパクト記念(GII)が中山競馬場で行われ、3番人気に推されたバステール(川田将雅騎手)が見事な差し切りで重賞初制覇を飾り、本番への優先出走権を獲得した。
今回が初コンビとなった川田騎手だが、レース前のパドックから細心の注意を払って馬をエスコート。「心身ともにまだ幼い」と評する未完成な状態ながらも、直線で見せた極上の切れ味に、名手もその素質の高さを称賛した。
■「レースが始まるまでずっとケア」初コンビで見せた名手の手綱さばき
今回が初騎乗となった川田騎手だが、戦前からバステールの「難しさ」をしっかりと把握していた。 「追い切りでも難しい面がありましたし、(自身が騎乗していない)当週の追い切りでもより難しい面を出しながらだったので、パドックでも返し馬でも、レースが始まるまでずっとケアしていたという感じです」と、繊細な気性をなだめることに心血を注いだことを明かした。

その甲斐あって、レースでは道中後方でしっかりと脚を溜めることに成功。「調教段階が乗り難しい分、良さを感じづらいタイプではあるんですが、レースに入って今日これだけの脚を使える動きになった時に、初めて少し良さを感じました」と、実戦の勝負どころで発揮された持ち前の切れ味に確かな感触を掴んでいた。
■「しっかり育った時にはとてもいい馬に」未完成ゆえの果てしない伸びしろ
キャリアわずか3戦目での重賞制覇となったが、川田騎手はバステールの現状について「全体がまだ幼く、体も心も幼いので、これから成長していく馬だと思います」と冷静に分析する。しかし、だからこそ見込める伸びしろは計り知れない。「その(幼い)状態でこれだけのパフォーマンスを出せるというのは、素質の高さだと思います」と賛辞を送った。

約1ヶ月後には、いよいよ1冠目の皐月賞(GI)が控える。大一番に向けて「まずは無事にそこにたどり着いてほしい。どれくらい時間がかかるかわからないですが、しっかりと育った時にはとてもいい馬になるだろうと思います」と期待を込めた川田騎手。 未完成な大器・バステールが、春のクラシック戦線の主役候補へと名乗りを上げた。