
34歳にして、今なお進化を続けるランナーがいる。伊澤菜々花(スターツ)。 学生時代からその才能を注目されながらも、一度は現役を引退。しかし、「もう一度、日の丸を背負って戦いたい」という消えることのない情熱が、彼女を再び過酷なロードへと引き戻した。 2024年の復帰から約2年。昨年の大阪での悔しさを晴らすため、そして世界と戦うため。驚異的な進化を遂げたベテランが、大阪の地で覚悟の走りを魅せる。
34歳にして、今なお進化を続けるランナーがいる。伊澤菜々花(スターツ)。 学生時代からその才能を注目されながらも、一度は現役を引退。しかし、「もう一度、日の丸を背負って戦いたい」という消えることのない情熱が、彼女を再び過酷なロードへと引き戻した。 2024年の復帰から約2年。昨年の大阪での悔しさを晴らすため、そして世界と戦うため。驚異的な進化を遂げたベテランが、大阪の地で覚悟の走りを魅せる。
■「あのままでは終われない」脱水症状の悪夢を超えて
伊澤にとって、大阪国際女子マラソンは「借り」を返さなければならない場所だ。 現役復帰から1年足らずで挑んだ前回(2025年)大会。順調な調整を経て臨んだはずが、レースは過酷な結末を迎えた。

――前回の大阪国際女子マラソンを振り返って。 伊澤: 25キロ付近から脱水症状などの影響で失速してしまい、結果は8位でした。 目標としていたタイムも、思い描いていた走りも果たせませんでした。やってきたことを出せなかった……という悔しさが強くて。 「大阪でリベンジをしたい」。レースが終わった直後から、そう思っていました。さすがに、あのような終わり方(失速)以上にはならない、あれより悪くなることはないと思っていますから。
■34歳での「自己ベスト更新」という快進撃
前回の悔しさは、伊澤を劇的に変えた。 この1年、彼女が見せたパフォーマンスは「ベテランの意地」という言葉だけでは片付けられない。3000mと5000mで自己ベストを更新。さらに駅伝シーズンでは、プリンセス駅伝、クイーンズ駅伝ともに10人以上を抜き去る激走を見せた。 34歳にしてスピード、スタミナ共に「キャリア最高」の状態にあると言っても過言ではない。

――この一年の手応えは? 伊澤: (トラックでの自己ベストや駅伝での走りを経て)進化を続けられていると感じています。今回は笑顔で、でも並々ならぬ覚悟で挑む「2度目の大阪」になります。
■見据えるのは「2時間19分台」
「リベンジ」という言葉の裏にある目標は、生半可なものではない。彼女が見据えているのは、単なる自己記録の更新を超えた、世界と戦うためのタイムだ。

――今回の目標タイムを教えてください。 伊澤: 「世界と勝負すること」を見据えた上で、2時間19分台というところ。 自分の中で、まずはそこはぶらしたくないので、そこを目指してやっていきたいなと思っています。
■覚悟の第2章、クライマックスへ
一度はシューズを脱ぎ、それでも戻ってきた場所。 日の丸という目標を胸に、脱水症状の悪夢も、年齢の壁も、全てを置き去りにして駆け抜ける。 進化する34歳、伊澤菜々花が刻む「2時間19分台」への挑戦。それは、自身の陸上人生を懸けた壮大なドラマとなる。 運命の号砲は、2026年1月25日、ひる12時15分。