原点は「小4の鬼ごっこ」!? 21歳の新星・西村美月、初マラソンVの勢いで大阪へ
01月23日 14:00

昨年11月のクイーンズ駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝)では5区で7人抜きの快走。さらに12月の防府読売マラソンでは、初マラソンにして見事優勝を果たし、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)出場権を手にした。 今、女子マラソン界で最も勢いのある21歳、西村美月(天満屋)。 「マラソン向き」と言われた天性の才能と、その意外なルーツ。そして先輩・前田穂南が日本記録を樹立した大阪の地で、彼女はどんな走りを見せるのか。若き新星の素顔に迫った。

■走りの原点は「小4の鬼ごっこ」

なぜ、彼女はこれほどまでにタフに走れるのか。そのルーツを尋ねると、意外すぎる答えが返ってきた。

――昔から足が速かったのですか? 西村: 小学校4年生の時に「鬼ごっこ」にハマってしまって(笑)。 朝すごく早く起きて、登校する時も走って行って、学校に着いたら朝から鬼ごっこ。お昼休みも鬼ごっこ。帰る時も(走りすぎて)足がつって、グズグズ言いながら帰るみたいな……そんな時がありました。

――原点は「鬼ごっこ」? 西村: 非常に分かりやすいかもしれませんね(笑)。持久走大会とかで速くなったのもその小4の時からなので、「鬼ごっこなのかな」って。それが自分の光(きっかけ)だったと思います。 朝から晩まで走り回っていた少女時代の「遊び」が、日本を代表するランナーとしての基礎体力を築き上げていたのだ。

■金哲彦氏も見抜いた「マラソン適性」

高校時代から「マラソン向きだね」と言われることは多かったという西村。しかし、本人にはあまり実感がなかった。そんな彼女の才能を、一目で見抜いた人物がいる。 プロランニングコーチで解説者の金哲彦氏だ。

――マラソンとの出会いは? 西村: 高校時代、まだトラック種目で強くなっていった先にはあるかも、という程度だったんですが、ある時マラソン教室で金哲彦さんにお会いする機会があって。 その時、本当にはじめましてなのに「(君は)マラソン向きだね」って言われたんです。それまで自覚はなかったんですが、母も「そうなんかな」って思ったらしく……。今思えば、見抜かれていたのかもしれません。

■「チケット持ち」の強み。大阪はチャレンジャーとして

今大会、西村には他の多くの選手にはない大きなアドバンテージがある。それは昨年末の防府読売マラソンですでに「MGC出場権」を獲得していることだ。 ――大阪国際女子マラソンへの出場を決めた理由は? 西村: 同じチームの前田(穂南)先輩が日本記録を出された場所ですし、他の先輩方も好記録を残された場所なので、自分もいいイメージで臨めるかなと思って大阪を選びました。

――今回のレースプランは? 西村: すでに防府の方で(MGC切符を)取らせていただいたので、今回は他の選手と比べても、順位や条件を気にすることなく走ることができる。「絶対にプラスだ」と思っているので、しっかりチャレンジしていきたいなと思っています。

■先輩・前田穂南の背中を見て

同じチームには、日本記録保持者の前田穂南がいる。身近に偉大な手本がいる環境が、21歳の覚悟をより強固なものにしている。

――西村選手にとってオリンピックとは? 西村: 前田さんがオリンピックに向けて、全てを捧げるぐらいの気持ちでやっているのを身近ですごく見てきました。 「生半可な気持ちではいけない」というのはずっとあって、絶対その先輩方に勝たないと(五輪には)出ることはできないと思っているので。

――最後に、どんな走りをしたいですか? 西村: たくさんの方々が応援してくださっているので、その応援に応えたいです。一番は「自分らしい走り」をしっかり出し切れれば結果もついてくると思うので、自分らしい走りをしていきたいと思います。

■鬼ごっこから世界へ

「鬼ごっこ」で培った無尽蔵のスタミナと、純粋に走ることを楽しむ心。そして、すでに結果を出しているという自信。 大阪の街を、かつての校庭のように自由自在に駆け抜けた時、西村美月はまた一つ、世界への階段を駆け上がる。 注目のスタートは、2026年1月25日、ひる12時15分。

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