縁から生まれた和菓子がつなぐSDGsの輪
カンテレの取り組みの
ウラガワ
2021年12月2日 縁から生まれた和菓子がつなぐSDGsの輪


高級食材として知られる丹波産の黒豆を使った新しい和菓子を販売している明正堂。香ばしいきなこの風味が口いっぱいに広がるそのお菓子の背景には、食品ロス・世界の貧困に立ち向かう老舗和菓子店の挑戦がありました。
新しいお菓子で丹波産黒豆の廃棄を減らす

明正堂が2020年より販売しているもなかクッキー「とのわ」。もなかの皮の中には、軽く香ばしい黒豆きなこたっぷりのクッキー生地。きなこは高級食材として有名な丹波産黒豆を挽いて作られたものを使用しています。
「知人の黒豆農家から、黒豆として売り出せない“かす”と呼ばれるB級品が製造時にたくさん出ることは聞いていました。SDGsを学ぶ機会があり、身近な黒豆をクッキーにすることを思いついたんです」(明正堂 四代目店主 吉竹仁人さん)
B級品といっても、炊いた際にシワが入ってしまったり大きさが均一でないというだけで、味に変わりはない高品質な材料です。しかし、B級品とされた黒豆は肥料や黒豆茶などの加工品として利用されることはあるものの、ほとんどは棄てられていました。
SDGsに関心を持った吉竹さんは、大量の廃棄が課題となっていた黒豆農家と、皮をもっと売り出したいもなかの皮屋さんのことを思い出します。そこに日持ちするクッキーを結びつけるという新しい和菓子の形がひらめき、今の「とのわ」が誕生します。
処分されるだけで値段がつかなかったものを買い取ってもらえることは、廃棄が減るだけでなく農家にとっても大きなメリットとなりました。また1個95円(税込)という和菓子としては手に取りやすい価格は、これまでとは違う客層を呼ぶきっかけにもなりました。
「知人の黒豆農家から、黒豆として売り出せない“かす”と呼ばれるB級品が製造時にたくさん出ることは聞いていました。SDGsを学ぶ機会があり、身近な黒豆をクッキーにすることを思いついたんです」(明正堂 四代目店主 吉竹仁人さん)
B級品といっても、炊いた際にシワが入ってしまったり大きさが均一でないというだけで、味に変わりはない高品質な材料です。しかし、B級品とされた黒豆は肥料や黒豆茶などの加工品として利用されることはあるものの、ほとんどは棄てられていました。
SDGsに関心を持った吉竹さんは、大量の廃棄が課題となっていた黒豆農家と、皮をもっと売り出したいもなかの皮屋さんのことを思い出します。そこに日持ちするクッキーを結びつけるという新しい和菓子の形がひらめき、今の「とのわ」が誕生します。
処分されるだけで値段がつかなかったものを買い取ってもらえることは、廃棄が減るだけでなく農家にとっても大きなメリットとなりました。また1個95円(税込)という和菓子としては手に取りやすい価格は、これまでとは違う客層を呼ぶきっかけにもなりました。
老舗和菓子店の変化

明正堂では、国連でSDGsに関する取り組みが始まる前から食品ロス削減を意識した商品づくりを行ってきました。和菓子の消費期限は生菓子だと当日中、半生菓子でも1週間程度のものが多く、つくる個数を見誤るとロスに直結してしまいます。そのため、なるべく廃棄が出ないようにするためにお店で売る商品の個数は制限していたのです。
「とのわ」はクッキーと同じように消費期限が長い干菓子(焼き菓子)です。日持ちすることで、贈答品としても選ばれやすくなり、ロスの削減に繋がっています。
吉竹さんで四代目となる明正堂。1930年の創業から、その時代にとって大事な事柄を商いに取り入れていたといいます。先々代は量産の仕組みを作り、先代は地産地消の素材にこだわりました。老舗を受け継いだ当代の吉竹さんも環境に負荷をかけない商売に取り組んでいます。
「とのわ」はクッキーと同じように消費期限が長い干菓子(焼き菓子)です。日持ちすることで、贈答品としても選ばれやすくなり、ロスの削減に繋がっています。
吉竹さんで四代目となる明正堂。1930年の創業から、その時代にとって大事な事柄を商いに取り入れていたといいます。先々代は量産の仕組みを作り、先代は地産地消の素材にこだわりました。老舗を受け継いだ当代の吉竹さんも環境に負荷をかけない商売に取り組んでいます。
和菓子で広がるSDGs

黒豆の廃棄削減を目的として作られた「とのわ」は、世界の貧困・飢餓を救うための取り組みにも一役買っています。「とのわ」1個の売り上げにつき1円が飢餓と貧困の撲滅を目指す団体“国連WFP協会”に寄付されています。この取り組みで間接的に食糧支援を行っています。
「世界の貧困や飢餓について考えるようになったのは、たまたま見ていた海外ドラマがきっかけでした。私たちは子どものころから恵まれてきましたが、もっと世界に目を向けるべきだと思い、寄付ができる団体を調べて参加を申し出ました」(吉竹さん)
思いついたらすぐに行動に移すという吉竹さんは、これからも障がいを持つ方の雇用など、社会課題を解決する新たな取り組みを考えています。もちろん、お菓子づくりの方も「とのわ」にとどまらず、時代に合った新しいおいしさを提案していくとのことで、アイデアの拡がりは止まりません。
発売以来、「とのわ」はさまざまなメディアで取り上げられ、お店を訪れるお客さんからもSDGs、特に食品ロスや貧困・飢餓について話すことが増えているそう。その名前には、「人と人の輪」「笑顔と笑顔の輪」など、輪の広がりを願う気持ちが込められています。
「世界の貧困や飢餓について考えるようになったのは、たまたま見ていた海外ドラマがきっかけでした。私たちは子どものころから恵まれてきましたが、もっと世界に目を向けるべきだと思い、寄付ができる団体を調べて参加を申し出ました」(吉竹さん)
思いついたらすぐに行動に移すという吉竹さんは、これからも障がいを持つ方の雇用など、社会課題を解決する新たな取り組みを考えています。もちろん、お菓子づくりの方も「とのわ」にとどまらず、時代に合った新しいおいしさを提案していくとのことで、アイデアの拡がりは止まりません。
発売以来、「とのわ」はさまざまなメディアで取り上げられ、お店を訪れるお客さんからもSDGs、特に食品ロスや貧困・飢餓について話すことが増えているそう。その名前には、「人と人の輪」「笑顔と笑顔の輪」など、輪の広がりを願う気持ちが込められています。