国内唯一の二つ星を獲得 サステイナブルなイタリアンが取り組むフードロスゼロ

カンテレの取り組みの
ウラガワ

2021年12月2日 国内唯一の二つ星を獲得 サステイナブルなイタリアンが取り組むフードロスゼロ

#12つくる責任つかう責任
国内唯一の二つ星を獲得 サステイナブルなイタリアンが取り組むフードロスゼロ
どんな料理と出会えるかはその日の仕入れ次第。無添加・無農薬の料理と自然派ワインに惹かれて、食への意識が高い客に支持されている芦屋のイタリアン・BOTTEGA BLUE(ボッテガブルー)。2010年のオープン以来取り組んでいるフードロスゼロの背景と、人気の米粉チーズケーキの誕生秘話を追いました。
フードロスゼロの意識はイタリア修業時代から
BOTTEGA BLUE(ボッテガブルー)
BOTTEGA BLUEでは、購入した食材を使い切ることを心掛けています。これは同店シェフの大島隆司さんがイタリアで修行していたときに叩き込まれたことなのだと言います。有名店での修行時代、朝出勤してきた現地のシェフはまず厨房のごみ箱を開けて、食材を無駄にしていないか、なぜ使える部位が生ごみとなっているのか、厳しくチェックしていたそうです。

「丸ごと一匹買った魚は骨をアラ煮にしたり、野菜くずと一緒に煮込んで出汁として使うことで、食材の恵みを最後まで生かすようにしています。魚の目玉や内臓のように、煮込んでもおいしくならないものは捨てることもあります。その場合も、だしガラなどと同様にコンポストに入れて菜園の堆肥にしています」(スタッフ 大島淑好さん)

以前から野菜のくずを生かした“ベジブロス”と呼ばれるスープは作っていたものの、本格的なエコサイクルの実現には至っていませんでした。こだわりの小さな菜園を始めたのは今年2021年の春、近隣の方の協力も得ながら、スタッフで土起こしから始めました。菜園には、イタリア料理と相性の良いバジルやニラ、キュウリに加え、ゴーヤやオクラなども栽培してきました。食材に捨てるところはないというイタリアでの学びを生かした、オープンから12年目の挑戦でした。
BOTTEGA BLUEがこだわる地産地消とサステイナブル
BOTTEGA BLUE(ボッテガブルー)
BOTTEGA BLUEの食材は地産地消を基本としています。野菜は神戸の西にある農業が盛んな押部谷(おしべだに)の農家から直接仕入れ、魚は近くの神戸東部市場で活きの良いものを仕入れています。魚を求める際は種類ではなく、その日に獲れたものをまとめて買い取っています。地産地消にこだわっているのは、運搬で発生するCO2の削減が資源保護に繋がるからです。

「地域密着で業者と話しながら何を買うか決めています。仕入れによってお店で出すメニューが変わるので、同じものをまた別の日に食べられるとは限りません。その一期一会も楽しんでいただけたら」(大島さん)
BOTTEGA BLUEの持続可能な社会へのこだわりは、サステイナブルな取り組みを行う飲食店を支援する国際団体の支部日本サステイナブル・レストラン協会の国内第一号店としての認定につながりました。同協会の食材の産地・調達の方法・人権など、多岐にわたる審査で、BOTTEGA BLUEは去年、国内唯一となる二つ星を獲得しました。フードロス削減に真剣に取り組み、できるだけ地元の食材を使うこだわりを持ったシェフとスタッフの取り組みが、世界的にも認められました。
常連客の声から生まれたチーズケーキ
BOTTEGA BLUE(ボッテガブルー)
本場の味を楽しめるイタリアンとして、美味しさだけでなくサステイナビリティを追求するBOTTEGA BLUEですが、料理だけではなくスイーツも人気です。シェフはパティシエとしての修行経験もあり、プリンやミルフィーユ、自家製ジェラートなど、店には本格的なスイーツメニューが日替わりで並びます。中でも特に人気が高いのが、米粉のチーズケーキです。このチーズケーキ、以前は米粉ではなく通常の小麦粉を使用したレシピでした。

「ある日突然、常連のお客さんから“小麦粉アレルギーになってしまった。大好きなチーズケーキをもう食べられないのは悲しいから、なんとかしてほしい”と頼まれたんです。それなら米粉を使ってみよう、と開発したのが米粉のチーズケーキです」(大島さん)

このチーズケーキに使用している米粉も兵庫県産の有機栽培米、卵や他の原材料ももちろん、兵庫県産です。米粉100%だと通常のチーズケーキと風味が変わってしまいそうですが、他のお客さんからも変わらず好評で、今や定番メニューとなりました。甘いものが苦手な人からの注文も多く、持ち帰りの商品としても人気です。ちなみにお店では、米粉のチーズケーキを作るきっかけとなった男性客のために米粉やとうもろこし粉のパスタの提供も始めたのだとか。
芦屋のイタリアンから届ける食のサステイナビリティ
地元の食材を余すことなくおいしく使うことを意識し続けているBOTTEGA BLUE。シェフの考えは大手のレストランにも共感されています。全国展開するベーカリーレストラン「サンマルク」は2022年3月に岡山・蒜山高原にオープンする、店舗のSDGs部門のレストラン総合料理監修シェフに託しました。

「SDGsを取り入れるのは少し難しいことのように感じますが、私たちのような個人店なら始めやすい取り組みも多くあります。また一人ひとりの意識が変わればゴミの問題も変わっていくはず。私たちが実践していること、シェフがイタリアで学んだ考え方など、ぜひお店でお話できれば嬉しいです」(大島さん)
BOTTEGA BLUE マネージャー 大島淑好さん
BOTTEGA BLUE マネージャー 大島淑好さん