“Farm to Bar”のチョコレートショップが作る、生産者・消費者・環境にやさしいチョコレート
カンテレの取り組みの
ウラガワ
2021年12月2日 “Farm to Bar”のチョコレートショップが作る、生産者・消費者・環境にやさしいチョコレート


京都市の繁華街、三条に本店を構えるDari K(ダリケー)。2011年にカカオ豆から製品まで一貫して作るBean to Barの先駆けとなるチョコレート専門店としてスタートして以来、国内外のチョコレート好きに楽しまれています。現在では、出来上がったカカオ豆からさらに踏み込み、カカオの栽培から関わる“Farm to Bar”となったDari Kの取り組みや今後の展開について伺いました。
地理に恵まれながら日本で不人気だったインドネシア産カカオ

Dari Kに並ぶチョコレートやチョコレート菓子のメインの原料となるカカオは、インドネシア・スラウェシ島から直接輸入したものです。インドネシアは生産量世界第3位のカカオ産地でありながら、日本における輸入量は全体のたった0.1%未満。その背景には、インドネシアのカカオの品質と買取価格の問題がありました。
というのも、カカオは一般的に国際市況によって価格が決まるため、生産者が努力して品質を上げても価格が上がることはありません。市況によっては原価割れを起こしてしまうこともあるため、品質にこだわらない農家が多くなり、手間のかからない未発酵カカオを輸出していたことが、原料として人気のない理由でした。そこでDari Kでは、現地でカカオの栽培や発酵の技術指導を行い、品質の高いカカオだけを直接買い取るようにしたそうです。
「カカオを発酵させるかさせないかで、チョコレートになったときの味や風味は大きく変わります。味に直結するカカオ豆の品質はもちろん、環境・人道、そして品質に関する独自のスタンダード7か条を設け、生産者・消費者・環境全てのステイクホルダーにとって望ましいAll-winカカオを生み出すための仕組み作りに努めています。」(Dari K広報 鈴木麻由さん)
Dari Kが意識しているSDGsのゴールには、『(1)貧困をなくそう』、さらに『(8)働きがいも経済成長も』『(13)気候変動に具体的な対策を』があります。気持ちのこもったカカオを生産者が作り、その品質に見合った価格で買い取ることで、努力がきちんと報われる社会の創出を目指していると言います。
というのも、カカオは一般的に国際市況によって価格が決まるため、生産者が努力して品質を上げても価格が上がることはありません。市況によっては原価割れを起こしてしまうこともあるため、品質にこだわらない農家が多くなり、手間のかからない未発酵カカオを輸出していたことが、原料として人気のない理由でした。そこでDari Kでは、現地でカカオの栽培や発酵の技術指導を行い、品質の高いカカオだけを直接買い取るようにしたそうです。
「カカオを発酵させるかさせないかで、チョコレートになったときの味や風味は大きく変わります。味に直結するカカオ豆の品質はもちろん、環境・人道、そして品質に関する独自のスタンダード7か条を設け、生産者・消費者・環境全てのステイクホルダーにとって望ましいAll-winカカオを生み出すための仕組み作りに努めています。」(Dari K広報 鈴木麻由さん)
Dari Kが意識しているSDGsのゴールには、『(1)貧困をなくそう』、さらに『(8)働きがいも経済成長も』『(13)気候変動に具体的な対策を』があります。気持ちのこもったカカオを生産者が作り、その品質に見合った価格で買い取ることで、努力がきちんと報われる社会の創出を目指していると言います。
気候変動による収穫量激減への対応

フルーツ発酵チョコレートは、パッションフルーツなどさまざまなフルーツの風味を感じられるチョコレートです。現地で採れたフルーツをカカオと一緒に発酵させることで、カカオに天然の香りが移ります。
Dari Kではカカオと一緒に、アグロフォレストリー農法(混植)によるフルーツ生産も推進。カカオと同じ農地でココヤシやバナナなど他のフルーツを同時に栽培することで、害虫・病気や気候変動によってカカオが不作となった年でも収入の足しにできるよう備えているそうです。
これまで、スラウェシ島で作られていたフルーツは主に自給作物として栽培されており、多くの人が農地を持つ島では商品として買い手がつくようなものではありませんでした。これらのフルーツを有効に利用する手段として生まれたのが、フルーツ発酵チョコレートなのです。
Dari Kではカカオと一緒に、アグロフォレストリー農法(混植)によるフルーツ生産も推進。カカオと同じ農地でココヤシやバナナなど他のフルーツを同時に栽培することで、害虫・病気や気候変動によってカカオが不作となった年でも収入の足しにできるよう備えているそうです。
これまで、スラウェシ島で作られていたフルーツは主に自給作物として栽培されており、多くの人が農地を持つ島では商品として買い手がつくようなものではありませんでした。これらのフルーツを有効に利用する手段として生まれたのが、フルーツ発酵チョコレートなのです。
施しではなく努力への対価としての価格設定

近年、チョコレートやコーヒーなど、フェアトレード認証を受ける食料品も増えてきました。“適正価格”で買い取って生産者により多くのお金を還元することを目的としているフェアトレードですが、Dari Kの取り組みは一般的なフェアトレードとは考え方が異なるのだとか。
「フェアトレードは、上乗せされた価格で商品を購入することで、消費者から生産者に一方的に寄付をする仕組みです。その中には商品がフェアトレード認証を受けるための費用も含まれています。私たちは、生産者が努力し商品の品質を向上させることで、その対価としてのお金を受け取れるお手伝いをしています」(鈴木さん)
現在は500ほどの農家と契約をしているというDari K。現地駐在員が定期的に農地を回り、相談を受けながら生産者とともにカカオの品質を向上させてきたそうです。殺虫剤を使わない栽培も、農家の健康被害と消費者の健康への影響、そして環境負荷について一緒に考えたからこそ実現したことでした。
「フェアトレードは、上乗せされた価格で商品を購入することで、消費者から生産者に一方的に寄付をする仕組みです。その中には商品がフェアトレード認証を受けるための費用も含まれています。私たちは、生産者が努力し商品の品質を向上させることで、その対価としてのお金を受け取れるお手伝いをしています」(鈴木さん)
現在は500ほどの農家と契約をしているというDari K。現地駐在員が定期的に農地を回り、相談を受けながら生産者とともにカカオの品質を向上させてきたそうです。殺虫剤を使わない栽培も、農家の健康被害と消費者の健康への影響、そして環境負荷について一緒に考えたからこそ実現したことでした。
チョコレートが叶えるサステイナブルな未来を目指して
2021年にはフルーツ発酵の生チョコレートを発売、さらにセブンイレブンにおいてインドネシア産カカオを使った商品の全国展開も行ったDari K。農家の努力が対価を持って報われる世界を目指し、10年間でインドネシア産カカオの流通を100倍以上に押し上げました。
「普段何気なく口にしている食品には、その裏側にさまざまな環境で働く生産者がいます。生産者が手塩にかけて育てているカカオ産地の事情を私たちが発信し、それをお客様に知っていただくことで、チョコレートをより一層美味しく感じていただけたら嬉しいです」(鈴木さん)
「普段何気なく口にしている食品には、その裏側にさまざまな環境で働く生産者がいます。生産者が手塩にかけて育てているカカオ産地の事情を私たちが発信し、それをお客様に知っていただくことで、チョコレートをより一層美味しく感じていただけたら嬉しいです」(鈴木さん)
