新型コロナウイルス特集

【医師が解説】医療崩壊を防ぐため…『感染者の扱いが変わる?』大阪府の取り組みとは

大阪府が検討進める「感染患者の振り分け」、その内容は?

世界的に感染が広がる中、WHOが『パンデミック相当』という発言をしました。

こうした中、大阪府は12日、新型コロナウイルスへの対策の強化を話し合う会議を新たに設置し、吉村知事や感染症の専門家などが参加。

大阪府では11日、新たに7人の感染が確認され、これまでに80人の感染が判明していますが、退院したのは3人だけです。

感染した人のほとんどが軽症ですが、陽性反応が続いているため入院が長期化し、感染症専門の病床を効率的に稼働させることが課題になっていました。そのため会議では重症の感染者を専門病床に、軽症の人は一般病床や宿泊施設に振り分けることを決める方針です。

大阪府は患者の適切な振り分けで医療崩壊を防ぎたいとしています。

――Q:大阪府が始めようとしている入院フォローアップセンター、感染した患者をどのように振り分けるのでしょうか?

【関西医科大学附属病院 呼吸器感染症科 宮下修行 医師】

●重症の方
これまで通り、感染症指定医療機関で、人工呼吸器をつけての管理、ICU(集中治療室)での管理、こういうものができる施設で療養する必要があると思います。

●軽症の方
感染から一週間すぎてから、肺炎になられる患者もいるので、医療状況が許せるなら、私は一般病床での入院が妥当だと思います。

●無症状の方
無症状の方、特に若い方については本当に何も症状がない人がほとんどです。ですがそういった方でもPCR検査で2回、陰性にならないと退院できないのが現状です。

今は、そういう無症状の方がたくさんいらっしゃいますので、宿泊施設や自宅療養が許されるのであれば、私はそれが妥当だと思います。

ですが一方で、例えば中国の症例をみていると、8割が『家族内で感染』しているので、ご家族がいる方は「自宅療養」は無理です。また、高齢者や基礎疾患を持っていて肺炎になりやすい方は、病院などの施設に入っていただくことになると思います。

――Q:医療従事者からはすでにマスク、防護服、手袋、消毒液などが全然足りないという声がありましたが?

【関西医科大学附属病院 呼吸器感染症科 宮下修行 医師】
どこの病院も医療物資が足らない状況です。私たちは情報共有をしていて、どこの病院がどのくらい医療物資が足りないかということを常に話し合っています。

このような状況の中でも患者さんと接することになるので、現実的には「医療物資の供給がないと、患者の受け入れも含めて難しい」というのは間違いないです。

「学校再開」は、いつからが妥当なのか?

――Q:大阪府の感染症専門家会議でも話し合われましたが、学校再開の時期に関しては?

【関西医科大学附属病院 呼吸器感染症科 宮下修行 医師】
インフルエンザもそうですが、お子様が集まるところから、こういったようなクラスター(集団感染)が発生するリスクはありますが、今回の新型コロナウイルスに関しては、それがあまり見られないといわれています。

我々も病院内で感染対策をやっていますが、次の3つは大切だと思います。

1:人と人との距離を保つ
2:換気をしっかりする
3:手洗いをこまめにする

とにかく教室に入るときはアルコール消毒や手洗いをきちっとして一時間経ったら、また、手洗いをする、こういうようなことが徹底されれば、またそういう前提条件があれば、学校再開もあると思います。

自粛ムードいつまで? イベント再開は?

――Q:自粛しているイベントの再開についても松井大阪市長から「3つの条件が重ならない形を作りながら実施したい。大阪市の施設については状況が整い次第、各担当の判断で開催も」という話がありましたが…

【関西医科大学附属病院 呼吸器感染症科 宮下修行 医師】
クラスター(集団感染)が発生しやすい3条件は…

●換気の悪い密室空間
●人が密集
●近距離での会話・発声


この3つの条件がそろうことが集団感染を起こすことがわかっています。

大阪が自粛しているイベントの再開について検討していますが、素晴らしいことだと思います。特に屋外のイベントに関しましては、今、この3つの条件に当てはまっていないことが分かっています。あとは「距離をとる」ということです。

3つの条件に当てはまらなければ、私はイベントをすることは一定の妥当性はあるというふうに思います。

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