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2019年2月28日(木)

新実のハッケン!「和歌山で『カキ養殖』!? 移住者が試みる”町おこし”」

〈和歌山県海南市塩津の港〉 

新実アナ「やって来ました。朝早い!今日6時に会社を出発しました。でも、今日は美味しいカキが食べられる!」

『立征水産』代表・阿部立利さん(53)「(Q.和歌山でカキ、はあまり聞かないですが…)大々的にカキ養殖をやり始めたのは、僕が初めて。(Q。地元のご出身ですか?)いえ、違います。大阪・梅田の出身です。ここに来る前は沖縄にいました。地元の近くで漁師をしたいな…と思った時に、ここ(塩津)がいい所だったので来ました。」

新実アナ「元々、漁師さんでもないってことですか?」

阿部さん「元々はダイビングショップを経営してまして、その前はサラリーマンをしていました。」 

大阪でのサラリーマン生活を経て、沖縄で18年間、ダイビングショップやイカ漁を営んでいたそうです。5年前に海南市の塩津に移住。牡蠣の養殖をしています。

新実アナ「この船は、こちらに来て買ったんですか?」

阿部さん「『地域おこし協力隊』が使うための船です。こちらが、協力隊の井川君です。」

『地域おこし協力隊』井川翔太さん(25)「よろしくお願いします。僕も出身は大阪です。」

ここ塩津は、かつてシラスの漁師町として大いに賑わっていました。しかし、高齢化や過疎化に伴い漁師の数は激減。今は、6人しかいないそうです。阿部さんは町の活性化を目指す『地域おこし協力隊』と連携し、美味しいカキを塩津の”名物””にしようと考えています。

阿部さん「これが湾内のイカダです。めちゃくちゃ近いです。牡蠣の殻を育てる。身を育てるのは湾外です。」

新実アナ「場所を変えるんですか?」

阿部さんの牡蠣は、港からすぐの所にあるイカダで育てています。

阿部さん「牡蠣というのは冷たい、波で揺らされる。そういう所では、殻の成長を止めちゃうんですよ。」

波が穏やかな湾内で栄養をしっかり取り、まずは殻を大きくしていきます。殻が7cmほどの大きさになれば、身を育てていきます。
波がある沖に沈め、意図的にストレスを与えることで、プリプリな、旨みたっぷりの牡蠣に育つそうです。

新実アナ「和歌山で出来るっていうことも知らなかったですね。」

阿部さん「条件が揃えば育つ。山があって川があって、その栄養分も持ってきてくれる。ただ、育ちが良いとか悪いとか、条件によって変わりますね。」

塩津は、有田川と紀の川に挟まれていて、栄養が豊富に流れ込むことから、牡蠣の養殖に最適だったのです。そのため、育つ期間も一般的な牡蠣と比べ、およそ半分。一度も卵を産んだことのない、「バージンオイスター」として出荷できるのです。

阿部さん「(町が)高齢化して衰退していっている。遠くにいかなくても、目の届くような所とか、少しぐらい(海が)しけていても出来るような漁業を模索していた。僕がやりきれば、教えることも出来る。和歌山の名産になって良い物が出来るんじゃないかと。」 

新実アナ「これから漁をどうしていこうと考える中で、目を付けたのがカキだったと。」

阿部さん「たまたまですよ。」

岸壁に出来る天然のカキをみて、ヒントを得たという阿部さん。東北・石巻でカキの養殖をしている漁師に教えを受け、試行錯誤を経て、去年末にカキの養殖を始めました。

新実アナ「どういう経緯で海南に来られたのですか?」

阿部さん「地元の近くに帰りたいなと思って。ここの漁師でシラス漁のオーナーの紹介でこっちに移ってきました。」

新実アナ「思い切って行動して、良かったなと?」

阿部さん「悪い事はなかった。すごい住みやすい所。」

新実アナ「でもカキの希望を捨てることは?」

阿部さん「捨てなかったから今がある。」

漁師仲間の紹介で移住して以来、「第2の故郷」と思えるほど町を愛する阿部さん。塩津に活気を!という思いから、阿部さんが養殖したカキを販売するカキ小屋を、去年11月にオープンしました。名物は、新鮮なカキを蒸し焼きにして頂く『ガンガン焼き』。何もつけず、そのまま味わいます。

新実アナ「(身が)きれいですね!白くて!めちゃくちゃ濃いですね。食べたことのない味の濃さ。名物になりますよね!」

阿部さん「是非とも名物にしたいです。」

新実アナ「(味を表現する)ボキャブラリーがもっとあったらいいのになぁ…」

阿部さんが手間を惜しまず育てた極上のカキを求め、営業日はおよそ100人の観光客が訪れています。

女性客「美味しいです、塩味。」

男性客「味はいい、臭みのない味。カキと言えば広島とかだが、和歌山で食べられるのがいい。また、来たいです。」

女性客「美味しいです。和歌山にあるとは思わなかった。是非とも続けて欲しいです。」

沖縄から移住して5年。今では、塩津に住むほとんどの人と顔見知りなんだそうです。

阿部さん「ここは村の唯一のスーパーです。」

スーパーの男性「よく来てくれた。最初はびっくりした、沖縄ナンバーの車が来ていると。(今では)県外の人も来てくれて、ビール買ってくれたりタバコ買ってくれたりします。」

新実アナ「カキ小屋では飲み物は出していない?」

阿部さん「出してないです。地域が潤わないと意味がないので。」

男性「そんな人いないですよね。だいたいは自分の儲けを考えますし。」

地元の女性「よそから来た人が町おこしをして、土地に住んでいる人間が協力をして。」

阿部さん「助けてくれるから出来る。一人じゃできない。」

地元の男性「ずっと昔から住んでる感じするよね。」 

阿部さんの住まいは、港のすぐそば。長らく空き家になっていた一軒家を借り、一人暮らしをしています。とはいえ、寝る為に帰ってくるだけだそうです。美味しい牡蠣作りに励む、その原動力とは…。

阿部さん「この町に来て可愛がってもらっているから。そういう町には元気になって欲しい。牡蠣小屋をやると殻がでる。(それを肥料にして)山に撒くと栄養分になるし、そうすれば海と山が繋がります。それで食がつながる、ここには温泉もある。そこの温泉に行けば和歌山を全部味わえる、という風になって連携していけたらなと思います。」

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