特集コーナー/バックナンバー

2019年2月19日(火)

【特集】孤立した妊婦を救いたい。”24時間窓口”、開設から「半年」…

「思いがけない妊娠」で悩む女性たち

女性スタッフがある相談をしていました。

【永原さん】
「時間がないからね31週、早く安全確保しないと」

【西尾さん】
「これくらいの人、いま4人くらいいますよ」

【永原さん】
「10月、11月くらいに相談受けた人もほとんど8カ月くらいの人やったね」

神戸市北区にある相談施設「小さないのちのドア」には、連日、差し迫った事情を抱えた女性たちが助けを求めて声を寄せています。

相談スタッフの西尾さん、今日も電話で寄せられた相談に答えていました。

【西尾さん】
「会いにも行けないし、赤ちゃんもかわいそうだし…それだったら、養親に育ててもらう方がいいんじゃないかって、揺れてはる感じなんですよね」

ここでは、思いがけない妊娠などで悩む女性たちの相談を助産師と保健師3人が24時間体制で受け付け、対応しています。

去年、「マナ助産院」の永原郁子院長が自ら施設を改修して開きました。玄関ドア付近には、訪ねてきた人が、周囲から見えないように白い壁が立てられました。

【永原さん】
「ここに来たら身は隠せる、どこからも見えないように、私たちもそこ(ドアの向こう)で待っていますので」

プライバシーに配慮し、LINEや匿名での相談も受け付けています。

 

全国から寄せられる相談…半年で400件以上に

開設からの半年間で、受けた相談は400件以上。関西だけでなく、関東や九州など全国から寄せられています。

最も多いのは30代で、全体の約4割を占めるほか、10代や20代の学生からの相談も増えています。

臨月を迎えるまで一度も病院を受診しておらず、出産の直前でドアを訪ねてきた女性もいました。

国が行った調査でも、検診を受けていない「未受診妊婦」の数は増えていて、こうした女性が、自宅などで出産した直後に赤ちゃんを殺めてしまうケースも後を絶ちません。「小さな命のドア」では、寄せられた相談内容から、それぞれに応じた対応を検討しますが…

【永原さん】
「とにかく未受診だからどこかにかかってもらわないといかんのだけど…初めてのお産よね?」

【西尾さん】
「いえ、8回です、前回も無介助出産なんで」

【永原さん】
「うーん…」

出産しても育てられないため「中絶」を考える相談者は多いといいます。

あるLINEでの相談には、一人で思い悩む女性の苦悩が記されていました。
『好きでもない人の子供ができちゃって…誰にも言えないし、どうすればいいかわからなくて』

【西尾さん】(電話で相談に答えながら…)
「またお世話になる方もおられるかと思いますので」

必要に応じて、病院に掛け合ったり、児童相談所や特別養子縁組を支援する団体に繋いだりして、中絶や危険なお産で傷つく女性を一人でも減らしたいと永原さんたちは考えています。


相談者の多くが抱える「パートナーからのDV」

一方、相談者の多くが抱える共通した問題があることもみえてきました。パートナーからの「DV」、ドメスティックバイオレンスです。

DVは暴力を伴う肉体的なものだけでなく精神的・性的な支配や、経済的に支援しないケースなどその形態は様々で複雑に絡んでいるといいます。

【西尾さん】
「思いがけない妊娠どうしようから実はすごく根が深かったってことばかりですよね」

【永原さん】
「中絶を1回2回と迫られている、これもDV。性的DVですもんね、それを(女性が)支配と見られない、離れる勇気がなかなか持てない」

パートナーからのDVはやがてその子供への虐待へつながっていく。

そう考える永原さんたちは「小さないのちのドア」が、その負の連鎖を断ち切る一歩になることを願っています。

連絡をくれる女性がいる…「ドアを開けていてよかった」

(Q:半年が経ってどうですか?)

【永原さん】
「こういう人たちのお役に立ちたいと最初から思っていた。そういう方たちが連絡くださっているということは、私たちにしたらドアを開いてよかったって。ここでわずかでもいいから温かかったというものを感じてくだされば、そこから何か力になっていってくださればと思って」

小さないのちのドア

☎078-743-2403

LINE: inochi-door.mana

記事一覧へ戻る

関西テレビ ページトップへ戻る